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男の家事、女の家事

2006年11月27日

 共働きなので、夫も在宅の時はよく家事をする方だと思う。男女平等も、頭ではわかっている。だが、実際やってみると、結婚当初の彼の家事は、私の中での「7割止まり」だった。たとえば、皿洗いをすると、器は全部洗うが、「汚れた鍋は、水につけといたから」。掃除は、全体をキレイに掃除機をかけてはくれるが、小山になっている郵便物や印刷物の整理は、「わからなくなるといけないから」と放置したまま。

写真

デザインの仕事をする知人夫婦のアトリエ兼住居のワンショット。雑然と仕事の道具が並ぶ一角さえ、住み手のセンスがにじみ出ていて、絵になる。反ろうとなんだろうと、「木枠はいい」とまたしても再確認させられた

 この家に大人は2人しかいないのだから、誰かが鍋を洗わなけば、永遠に汚れたままだし、DMの取捨選択だってしなければたまる一方である。結局フィニッシュは私がやるわけで、最後までやらないと、本当に家事が終わったことにはならないんだよと、3〜4年は言い続けた気がする。いちばんよくないのは、完璧(かんぺき)にしないことではなくて、「自分は男女平等で、妻と同等に家事を全うしている」という感覚だと思った。

 ねちねちと言っていくうちに、10割はできないけれど、自分は最後までしきれていないという認識はもつようになった。私は、それはそれで進歩だと喜んでいる。残した分をこちらがやると、感謝の気持ちも生まれるし、なにより、子どもに正しい男女平等を教えられる。本当は、ここまでフィフティフィフティにやりきって、初めてそういえるんだよ、と。

 さて、最近彼は、息子の塾のお弁当を作るようになった。私が仕事で、弁当作りが間に合わないときだけなので、ごくたまにではあるが。

 相手の家事に対して、細かい指示を入れず、自己流に任せる、というのが暗黙の約束事項なので、彼の担当の時は黙って、食べ残しの容器を洗う係になる。彼は得意げに、

「ママのお弁当は彩りが悪い。あれじゃ食べる気にならないよ」

とかなんとか、自分は赤と黄色と緑をうまく入れたようなことを言う。だが、案の定、緑のピーマンいためははしを付けずに残してある。つまり、頭では、彩りや栄養のことをわかっていて、正しく作っているのであるが、実際の子どもの気持ちまでは、実感として理解できてないのである。だから、いきなりピーマンをどっさり塩でいためてしまう。子どもはもうひと工夫しないとピーマンを食べないことまでは、気が付かない。正しいお弁当を作ったことで満足しているのである。新婚時代の彼の家事感覚と一緒だわ、と思った。食べる子の気持ちや好みまで計算して、彩りが悪くても全部食べきる味付けにしないと、最終的にいいお弁当を作ったということにはならないのだ。

 彼のせっかく作った気持ちもくみながら、さりげなく説明した。お互いが気持ちよく家事をやろうと思ったら、課題はできるだけさらりと言うことも大事だ。じつはこれは私の課題で、まだまだ及第点はもらえない。ついつい、「ピーマンいためるだけじゃ、だめなんだよ」と、容赦なく言ってしまいそうになる。男の家事と女の家事には、まだまだ微妙な温度差がある。それを気持ちよく縮めていけるような関係になれたらいいなあと、私も頭の中ではわかっているのだが……。

大平 一枝(おおだいら・かずえ)

 長野県生まれ。女性誌や文芸誌、新聞等に、インテリア、独自のライフスタイルを持つ人物ルポを中心に執筆。夫、11歳、7歳の4人家族。

 著書に、『見えなくても、きこえなくても。〜光と音をもたない妻と育んだ絆』(主婦と生活社)、『ジャンク・スタイル』(平凡社)、『世界でたったひとつのわが家』(講談社)『自分たちでマンションを建ててみた。〜下北沢コーポラティブハウス物語〜』(河出書房新社)、など。【編集または文の一部を担当したもの】『白洲正子の旅』『藤城清治の世界』『昔きものを買いに行く』(以上「別冊太陽」)、『lovehome』『loving children』(主婦と生活社)、『ラ・ヴァ・パピヨン』(講談社)。最新刊は、紙と人の心の絆を描いた「かみさま」(ポプラ社)。

ホームぺージ「暮らしの柄」 http://www.kurashi-no-gara.com/別ウインドウで開きます

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