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「小さな家の生活日記」

家具作家と知り合う法

2007年08月20日

 先週、手作りの棚について書いた。できれば、家具は買うより作ってもらったほうがいいという内容である。

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人任せでなく、自分でDIYできたらこんなすてきなことはない。あるご夫婦の手作り「猫階段」。(猫が本当に登る)

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同じお宅の窓の上。ちょっとしたディスプレイ棚をとりつけ、幼い頃に描いた絵が飾られていた

 すると、読者の方から、“次は家に来られそうな範囲に住んでいる大工さんと知り合う方法について書いて欲しい“というメールをいただいた。

 なるほど、もっともな要望である。

 私も、7年前、同じことを考えていた。

 いったい、棚を作ってくれるプロの職人に、どうやったら出会えるのだろう? そういう人はどこにいるのか? どうやって連絡をすればいいのか?と。

 しかし、心配ご無用。

 東京でなくても、どこに住んでいようとも、好みの棚を作ってもらえる人とは必ず知り合える方法がある。少々の勇気と好奇心があればきっと大丈夫だ。

 実際、私は7年前、力づくのこんな方法で家具を造作してくれる職人と知りあい、テレビ台を作ってもらった。

 その日、夫と私はランチを食べようと近所のとある飲食店に初めて入った。

 夜はバーらしいが、昼間はランチの営業をしている雑居ビルの中の小さな店だ。越してきたばかりで、とくに行きつけもなく、黒板の「定食」の文字にひかれてふらりと立ち寄ったのである。

 その店は、配線やコードを竹で目隠ししたり、カウンターバーに板を張り、ラフにペイントしてあったり、内装に工夫がこらされていた。お金をかけず、ほとんどがDIYで、そのわりにデザインがチープでなく、細部までていねいな仕事をしている。

 ちょうど、テレビ台がなくて困っていたので、さっそく店員さんに聞いた。

 「この内装を手がけた方をご紹介いただけませんか」

 突然聞かれたら相手もびっくりするので、事情を話す。

 「ここの内装のテイストが好きなので、できたらうちのテレビ台を個人的にお願いしたくて」

 そこまで言えば相手も納得する。それから店員さんもご本人の意向を確認した上で、連絡先を教えてくれ、無事、会うことができた。現れた人は21歳の青年で、将来は家具作家になりたいが、現在は大工の修業中。バーの経営者が友人で、ローコストで内装デザイン・施工をまかされたのだそうだ。それから1〜2カ月後、申し分のない素敵な棚が完成した。

 小さな個人営業の店の場合は、内装業者も個人の自営業者を頼むことが多く、話も早い。住宅ではなく店舗専門なので、多少技術内容も違ってくるが、なにより、職人の腕やテイストを、あらかじめ店で確認できるのがよい。

 また、近所の店ならば、内装もやたらに遠方に住む人にはお願いしない。その彼も、同じ沿線に住んでいて、打ち合わせなど都合がよかった。

 店舗の内装と住宅は、別々に考えがちだが、意外に住宅に応用できるアイデアは多い。壁紙、収納棚、塗料、照明、部屋の仕切のアイデアなどなど。

 近所にお気に入りのカフェや飲食店(美容室もおすすめだ)があったら、ぜひ内装デザインや施工を手がけた人を紹介してもらおう。そのつながりから、きっとビンゴ!な人に出会えるはず。その際、できるたけ小さな個人経営の店をチェックすること。店といえども、予算に限りがあるのはいずこも同じ。ローコストで少しでも快適で使い勝手のいいデザインを求めるので、優秀な内装のデザイナーや職人に出会える確率は高い。

 本当に力づくだけれど、間違いのないとっておきの方法である。そのためには、ふだんからいろんなお店の内装をチェック。全体的には好みでなくとも、この雑誌の収納棚がいいとか、食器棚がすてきなど、細部までアンテナをはりめぐらせよう!

プロフィール

顔写真 大平 一枝(おおだいら・かずえ)

 長野県生まれ。女性誌や文芸誌、新聞等に、インテリア、独自のライフスタイルを持つ人物ルポを中心に執筆。夫、11歳、7歳の4人家族。

 著書に、『見えなくても、きこえなくても。〜光と音をもたない妻と育んだ絆』(主婦と生活社)、『ジャンク・スタイル』(平凡社)、『世界でたったひとつのわが家』(講談社)『自分たちでマンションを建ててみた。〜下北沢コーポラティブハウス物語〜』(河出書房新社)、『かみさま』(ポプラ社)など。【編集または文の一部を担当したもの】『白洲正子の旅』『藤城清治の世界』『昔きものを買いに行く』(以上「別冊太陽」)、『lovehome』『loving children』(主婦と生活社)、『ラ・ヴァ・パピヨン』(講談社)。最新刊は、『センス・オブ・ジャンク・スタイル』(風土社)。

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