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「小さな家の生活日記」

お風呂のふた

2007年11月05日

 友達が中古の家を買い、大幅にリフォームした。引越の手伝いをしていたら、彼女が言った。

写真

築40年の家をリフォーム(『スピリッツ・オブ・ジャンク・スタイル』大平一枝著 風土社より)

「お風呂の蓋ってどうしている?」

 そうそう、そうなのだ。家を買うとき、間取りや設備に目がいって、なかなか気づかないのがこれ。中古だと、あらかじめ蓋が付いていることが多いが、たいてい傷や汚れがあり、旧型で、場所をとる形のものが多い。では、みなどういう物を使っているかというと、けっこうな確率で、満足していない人が多いのである。

 うちは借家なので、もともと蓋が付いていた。ご多分にもれず年代物で、おまけにどこにも置くところがない。蛇腹式のぐるぐる巻くスタイルでとにかくかさばるのだ。蓋を閉めているときはいいが、入浴している間、前の住人は、いったいどこに収納していたのだろうと首をひねりたくなる。浴槽の縁に巻いておくと、その分、浴槽が狭くなる。立てかけたら、ばたんと倒れかかる。しかたなく、脱衣所に置くが、水滴がついていて具合が悪い。

 けっきょくそれは倉庫にしまって、折り重ねて畳める「コンパクト収納風呂蓋」というのを買った。重ねて畳むと小さくなって、場所も取らず、日本の狭い風呂にはちょうどいい。だが、折り目が多く、手入れを怠ると、すぐに溝にカビが発生する。

 以前住んでいたコーポラティブハウスでは、一体化したユニットバスで、蓋の収納場所も考慮されていたし、防カビ、ぬめり加工が施された高性能の樹脂でできていた。建売や新築物件は、そういうものが設置されているだろうが、古い物件は風呂蓋にも留意を。

 風呂蓋同様、入居後に「さてどうしたものか」と悩むアイテムナンバーワンは「物干し台だね」と、前述の友達と話した。たしかに、物干し台も忘れがち。よいデザインで機能性が高く、場所も取らない、リビングから見えてもめざわりでない物は少ない。家を設計するとき、建築家は余り「洗濯物を干した状態」で考えない。「洗濯物がない状態」で、ラフなどを描く。だが、昼間の大半は、洗濯物が干してある状態のはず。まだまだ、住まいの盲点は多いのである。

プロフィール

顔写真 大平 一枝(おおだいら・かずえ)

 長野県生まれ。女性誌や文芸誌、新聞等に、インテリア、独自のライフスタイルを持つ人物ルポを中心に執筆。夫、11歳、7歳の4人家族。

 著書に、『見えなくても、きこえなくても。〜光と音をもたない妻と育んだ絆』(主婦と生活社)、『ジャンク・スタイル』(平凡社)、『世界でたったひとつのわが家』(講談社)『自分たちでマンションを建ててみた。〜下北沢コーポラティブハウス物語〜』(河出書房新社)、『かみさま』(ポプラ社)など。【編集または文の一部を担当したもの】『白洲正子の旅』『藤城清治の世界』『昔きものを買いに行く』(以上「別冊太陽」)、『lovehome』『loving children』(主婦と生活社)、『ラ・ヴァ・パピヨン』(講談社)。最新刊は、『センス・オブ・ジャンク・スタイル』(風土社)。

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