現在位置:asahi.com>住まい>小さな家の生活日記> 記事

PR 住まいの最新情報

「小さな家の生活日記」

家をつくると夫婦は仲良くなる!?

2007年12月31日

 自宅の家具や内装を手作りしている夫婦が来訪。依頼していたオーダーメイドのポストが完成したというので、搬入と取り付けにきてくれた。

写真

そんなふたりは、ただいま、ポストを取付中。ついでに壊れた門もささっと修理。オーダーメイドのポストは来週ご紹介します!

 ふたりは自宅も、コツコツ何年もかけて自分たちで作っている。基礎と外壁は外注だが、部屋のしきりやドアなどの建具は自作で、現在も「建設中」だ。 

 そんな彼らがポストを我が家の門にとりつけているあいだ、私は台所仕事をしていた。すると外から、二人の会話がなんとはなしに聞こえてきた。

「ちょっと、こっち持ってて」

「あ、ねじがずれちゃった」

「え?どれどれ。大丈夫。ここ、ななめに打ってみな」

 時折、笑い声や冗談が混じる。

 大学の同級生夫婦で、子どももいて、夫婦歴は長いと思うが、なんて会話が多いカップルだろうと思った。私も同級生夫婦(学年は彼がひとつ下)だが、ふだんの生活で、夫とあんなに話すことなどないと言い切ってもいい。

 休日ごとにマイホームのために大工仕事をする。きっと、その時間が二人の絆を育てているのだろう。家を完成させるには、息を合わせ、アイデアを出し合い、ときには、意見を戦わせねばらない。意見が食い違ったり、リズムが合わなくてイライラしたり、けんかしたりすることもあるだろう。ビジネスと違ってマイホームづくりは、食い違いを是正して、呼吸を合わせない限り、作業が前に進まない。どんなに時間がかかっても、二人しかいないのだから、支え合い、励まし合い、とことん意見をすりあわせ、気持ちを一つにすることが必要。そうする瞬間がつみかさなってふたりの今があるにちがいない。

 できあがったものを買うだけでは得られない、かけがえのないものを二人は持っている。

 夫婦というのは、年を重ねると、言わなくてもわかるので多くを語らなくなるし、話題も子ども中心になりがちで、我が家など、不意にふたりきりになると、なにを話していいかわからなくなってしまう。家を自分たちでつくるなんて、とんでもないほど手間暇がかかって気が遠くなるが、ふたりの手間暇が育てる時間は、とてもまぶしくみえる。こういう夫婦のかたちがあっていいよなと思う。自宅が完成したら、次は彼の家具製作の工房を建てたいのだそうだ。夢は永遠に続く。

プロフィール

顔写真 大平 一枝(おおだいら・かずえ)

 長野県生まれ。女性誌や文芸誌、新聞等に、インテリア、独自のライフスタイルを持つ人物ルポを中心に執筆。夫、12歳、8歳の4人家族。

 著書に、『見えなくても、きこえなくても。〜光と音をもたない妻と育んだ絆』(主婦と生活社)、『ジャンク・スタイル』(平凡社)、『世界でたったひとつのわが家』(講談社)『自分たちでマンションを建ててみた。〜下北沢コーポラティブハウス物語〜』(河出書房新社)、『かみさま』(ポプラ社)など。【編集または文の一部を担当したもの】『白洲正子の旅』『藤城清治の世界』『昔きものを買いに行く』(以上「別冊太陽」)、『lovehome』『loving children』(主婦と生活社)、『ラ・ヴァ・パピヨン』(講談社)。最新刊は、『センス・オブ・ジャンク・スタイル』『スピリッツ・オブ・ジャンク・スチル』『ジャンク・スタイル・キッチン』(風土社)の3部作。

 ホームぺージ「暮らしの柄」 http://www.kurashi-no-gara.com/別ウインドウで開きます


このページのトップに戻る