2010年7月20日
日本法人の開業式に出席した信義房屋の周俊吉会長(右から2人目)=東京都千代田区のホテル
台湾の不動産仲介大手、信義房屋(しんぎふさや)は20日、日本の現地法人の開業式典を開き、本格的な営業を始めた。中国人や台湾人向けに日本のマンションやオフィスビルなどを販売する。ビザ発給の条件緩和も追い風に、2012年に日本で150億円の売買額を目指す。
中国や台湾の大手不動産仲介会社の日本進出は初めてという。信義房屋は01年に台湾株式市場に上場。台湾に291店舗あるほか、93年に進出した中国本土にも上海、北京、杭州など主要都市に計約200拠点を持つ。
日本では昨年12月、東京都渋谷区に現地法人を設立。日本で不動産売買ができる免許を取得した今年2月末以降、提携先のオリックスや大京から物件の紹介を受け、台湾人向けに仲介業務を始めた。既に約20件のマンションの売買契約にこぎ着けた。今月から、日本語や日本の不動産業務を学んだ台湾人の営業マンを置き、本格的に稼働する。今後は中国本土の投資家の受け入れ態勢も整備し、12年の売買額は、中国人向けが台湾人向けを上回ると見込む。
信義房屋が日本進出を決めたのは「東京のマンション価格は上海や台北より安い。治安も良く、投資対象として理想的」(周俊吉会長)と考えたからだ。
上海や台北などでは近年の不動産価格の高騰の結果、家賃収入から得られる投資利回りは年1〜2%に低下。日本は年6〜7%で、中国や台湾を大きく上回るという。物件の値上がりは期待薄だが、「長期的に安定して収益が得られる資産として、東京23区を中心に日本の不動産に対する購入意欲が高まっている」(同)という。
このため、日本市場への投資資金の誘致が熱を帯び始めた。中国の旅行情報会社チャイナ・インベストメント・マネジメントは4月から、上海を中心とした投資家向けに日本の不動産視察ツアーを開始。中国の不動産コンサルタント、ベターハウスも、6、7月に箱根の保養所や札幌市のアパートなどを紹介するセミナーを上海市内で各1回開催し、計300人を集めた。