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借主の家賃支払い義務は賃貸借契約の最も重要な義務です。このため家賃の滞納はひと月でも義務違反になります。 しかし、この程度の義務違反だけでは契約解除の理由になりません。
一般に、家を借りる目的はそこで生活するためであり、したがって契約期間も長期にわたります。 長期の間に、急病で入院したり、不意の支出があるなどで家賃の支払いが遅れる事情が起こり得ます。家賃の支払いがひと月遅れたというだけで契約が解除されて、借家から他に転居することは容易なことではありません。このため、ひと月の滞納イコール契約解除という単純な理由にはなりません。
契約解除となるかどうかは、「一般社会常識から考えて大家さんと借り主の信頼関係が破壊されているかどうか」にかかっています。信頼関係が破壊されているかどうかは賃料不払・遅滞の状況とその事情に加え、大家さんと借り主の関係を総合的に判断して行われます。
判例を見ると、連続11カ月間の家賃不払いのケースでも、大家さんと借り主の特別な事情などから信頼関係が破壊されていないと判断して契約の解除を認めなかった例もありますし、2カ月間の不払いについて、他の事情を考慮して大家さんと借り主の信頼関係がすでに破壊されていると判断して契約解除を認めた例もあります。後者の場合は、実際の不払いは2カ月だけですが、それまでにも賃料を滞納しがちでしたし、借り主が大家さんに嫌がらせをしていたりした事実が、信頼関係が破壊されているという判断の根拠になったようです。
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