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今週はマンションの騒音問題に迫ります
回答者 弁護士 田中 峯子さん

 マンションを買おうと思いますが、騒音問題が気になります。どんな点に気を付けたらいいでしょう。

 マンションに住んでいて一番多い苦情は、上下階から聞こえる騒音といわれています。隣家の話し声が聞こえたり、ビィーンという設備音が床下から聞こえたり、モーター音が聞こえたり、リフォーム後に上の階の音が急に大きくなったり、低周波音が響いてきたり‥‥。マンションではいろいろな音の問題が起きています。

 音は一旦耳につくとなかなか離れなくなり、神経的にも参ってしまいます。かつて、階下のピアノの音のうるささがひきがねとなった殺人事件すら起きています。

 音にも、いろいろな種類があると思うのですが。

 上下の音に関しては軽量衝撃音と重量衝撃音があります。床にスプーンを落としたときに出るような音を軽量衝撃音、足音や扉の開閉の時に出るような音を重量衝撃音といいます。遮音性能は、日本建築学会が等級を定め、一般にL値と呼ばれています。(下表を参照)

床衝撃音の遮音等級と住宅における生活実感
遮音等級 人の走り回り
飛び跳ねなど
椅子の移動音、
物の落下音など
生活実感
プライバシーの確保
L−30 通常ではまず聞こえない 聞こえない 上階の気配を全く感じない
L−35 かすかに聞こえるが遠くから聞こえる感じ 通常ではまず聞こえない 上階の気配を感じることがある
L−40 かすかに聞こえるが遠くから聞こえる感じ ほとんど聞こえない 上階で物音がかすかにする程度
気配は感じるが気にはならない
L−45 聞こえるが意識することはあまりない 小さく聞こえる 上階の生活が多少意識される状態
スプーンを落とすと、かすかに聞こえる
大きな動きはわかる
L−50 小さく聞こえる 聞こえる 上階の生活状況が意識される
椅子を引く音は聞こえる
歩行などがわかる
L−55 聞こえる 発生音が気になる 上階の生活行為がある程度わかる
椅子を引く音はうるさく感じる
スリッパの歩行音が聞こえる
L−60 よく聞こえる 発生音がかなり気になる 上階住戸の生活行為がわかる
スリッパ歩行音がよく聞こえる
L−65 発生音がかなり気になる うるさい 上階住戸の生活行為がよくわかる
L−70 うるさい かなりうるさい たいていの落下音ははっきり聞こえる
素足でも聞こえる
L−75 かなりうるさい 大変うるさい 生活行為が大変よくわかる
人の位置がわかる
全ての落下音が気になる 大変うるさい
L−80 うるさくて我慢できない うるさくて我慢できない 同上
「建築物の遮音性能基準と設計指針」第2版 日本建築学会編

 マンションでは、重量衝撃音が紛争の種になりやすいのです。ただ、自分がうるさいと思うだけでは音の問題は解決しません。どの程度の音かをまず測定してみましょう。行政庁(区や市の公害課)が持っている測定器を無料で借りることができます。簡易測定器で音を測定しますと、L値40〜70くらいまで測れます。 L値の数値は、マンションの床スラブの厚さが15センチと仮定した場合の音です。L値45は静かな方で、日本建築学会はL値55が通常生活できる音と定めています。

 モデルルームに行くと、「L値45だから静かですよ」みたいなうたい文句が書いてありますね。

 学会では「通常生活できる音」としているL値55は、聞く人によっては相当うるさく聞こえます。裁判例によってもL値55までの階上の音は騒音とは認定されず、受忍限度内=我慢できる範囲内、であると判断されています。L値60になると騒音と認定され、階下の人に民法709条にもとづく不法行為として損害賠償金=慰謝料の支払いを命じた判例があります。

 新築マンションは床スラブコンクリートを18cm〜20cmと厚くして階上の足音がL値55以内におさまるよう考えて建築されている物件も出てきました。購入時に床スラブ厚などに関心を持って選ぶようにしましょう。

 中古物件では、なかなかL値まで吟味できませんが。

 築年数がたった中古マンションでは、床スラブ厚が10〜12センチという物件も結構あります。音が響きやすく、音が気になる人は上階に子供がいないか、階下にピアノなど音の出る楽器をならす人が住んでいないかを住んでいる近隣の人に聞いてから買うようにしましょう。

 フローリングの床へリフォームする場合、フローリングはL値45の材料を使用することを管理組合に届け出るよう総会で決定して、騒音の苦情を少なくしようとしている管理組合も結構多くあります。

 その他に今まで紛争になった例として次のようなものがあります。

 (1) 音が大きいわけではないが、頭痛がしたりしていたため調べたところ、隣室で小さな物を加工している機械から低周波が出ており、それが原因と判明した。

 (2) 寝るときなどに床に耳が近づくと、他住戸の風呂を沸かしたりシャワーを使うとき発生する湯沸かし器のビィーンという設備音が出ていた。深夜といわず早朝といわず発生するので睡眠不足となった。

 (3) 階上の音がうるさいため階下の人が天井を1時間もつつき続けたところ、逆に階上の人から訴えられた。階下の人は損害賠償を支払わされた。

 マンションでは全部の人が快適な生活を送れるよう、それぞれの区分所有者が注意して生活していくしかありません。






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