【質問】私のマンションには約20人の人が管理費・修繕積立金を滞納しています。何度催促しても「そのうち支払います」と言うだけで、一番滞納している人は毎月1万円弱なのに、すでに70万円近くになっています。どのような取り立て方法があるのでしょうか。
【答え】ちりも積もれば山となるということわざ通り、どこのマンションの管理組合でも管理費などの滞納はわずらわしくて大変困っています。しかし放置しておくことはできません。
最近、最高裁判所で管理費等の消滅時効は5年という判決が出ました。時効とは、つまり請求しないと、もう取り立てることの出来なくなることをいい、5年間以上未払いである管理費などはもう取り立てられないという意味です。
【質問】それは大変なことですね。私のマンションでも6年以上支払っていない区分所有者がいます。そうすると、ざっと計算すると、6年(未払い分)−5年=1年で、1年分はもう管理組合は請求できないということになるのですか。
【答え】消滅時効というのは、滞納者が5年をすぎた管理費などについて自発的に支払えばそれは有効です。
しかし、滞納者が支払わない場合は、最終的に裁判で請求しなければなりません。その時、支払う意思のない滞納者は消滅時効の抗弁という主張をして、支払わなくても良いという法的根拠があると主張します。そうすると裁判所は、5年以上の滞納分は消滅時効にかかるので、管理組合は取り立てる権利がないと判断して、5年以内の管理費などを支払えという判決を出します。
また、滞納者が消滅時効の抗弁を出さなくても、裁判所が自ら時効であるという判断が出来るというのが今までの判例ですから、裁判を提起したときは十分注意しなければなりません。
【質問】実は私のマンションは口で滞納者に催促しているだけで、法的に必要な手続はいまだ何もやっておりません。最初どのようなことから始めるのでしょうか。
【答え】まず、消滅時効との関係で、いつ管理組合として正式に請求したかを明らかにする方法をとることが大切です。
それは郵便局から内容証明郵便を出すことです。内容証明郵便とは催告書を3通(コピーでよい)と、あて先を書いた封筒を持参して大きい郵便局から郵送してもらいます。催告書には理事長の印が必要です。郵便局では受け付けた日付の印を催告書に押します。そして1通は滞納者に送り、1通は郵便局に保存し、1通は管理組合に返しますので、それを保存します。
管理組合に催告書のひな型を保存しておけば、相手が何人いても、それほど面倒にならずに内容証明が書けます。
【質問】遅延損害金も取りたいと思うのですが、請求できるのでしょうか。
【答え】管理規約の条項に定めがあれば、それに従って請求してください。例えば、年14.6%と書かれている管理規約が多いようです。もし規約に何の規定もなかった場合は、民法にもとづき年5%の遅延損害金の請求が出来ます。
ただし、計算は大変面倒です。
例えば、2001(平成13)年8月分から滞納しているとします。01年8月1日から05年7月31日まで滞納と仮定しますと、01年8月分については4年、つまり48カ月滞納となります。管理費などが仮に1万円とし遅延損害金が年14.6%と規約に規定があるとすれば、
01年8月分は、
10,000円×0.146/12カ月×48カ月=5,839円
となります。しかし、平成13年9月分は、
10,000円×0.146/12カ月×47カ月=5,718円
となります。これを毎月計算して合算すると、滞納した場合の遅延損害金も結構大きくなるようです。
【質問】この内容証明書は、管理会社で作成してくれないのでしょうか。
【答え】管理組合と管理会社との管理委託契約書の中でどのように書かれているかよく見てください。
多くは管理会社が滞納した管理費などの催促はすることになっているようですが、理事会で滞納状況を管理会社に報告させ、内容証明郵便を出すかどうか指示をすることが必要です。
しかし、管理会社に管理費などの徴収義務はありませんので、内容証明郵便を出しても支払わない滞納区分所有者に対して、次にどのような手段を用いるか理事会で決定していかねばなりません。