【質問】マンションのベランダの外壁側にクラック(ヒビ割れ)が発生しているのを見つけました。新築分譲マンションの引き渡し2年目点検後だったのです。クラックは「割れ誘発目地(メジ)」の直ぐ脇から発生し、しかも外壁の化粧タイルがパックリ割れています。ただのコンクリートの収縮・膨張のクラックと見られるのでしょうか。
【答え】私は建築家ではないので確定的なことは申せませんが、今まで担当した事件の中で外壁のタイルまで割れている場合は、タイルをはがすと、その下のコンクリートにかなりの幅でクラックが入っていることが応々にしてありました。
そのような場合、コンクリートが固まる時期に起こるといわれる収縮・膨張のクラックとは異なり、コンクリート躯体部分に問題がある場合が応々にしてあります。例えば、他住戸のベランダにも同じようなクラックがないか確認することが大切です。
クラックが巾や長さが大きい場合は、構造躯体、特に鉄筋の入れ方に問題があったり、ベランダが多少下がったりしている場合がありました。
【質問】管理組合から全世帯向けに回覧がまわされました。回覧には「今回のクラックは2年経過しており、故意・過失によるものではないので、本来有償であるが、分譲会社が無償対応工事とする」と書いてありました。
これはそのまま受け入れられることでしょうか。
【答え】このクラックについて、コンクリートの状態を確認すべきです。また、回覧がまわるということは、かなり多数の住戸にあなたのベランダと同様なクラックが入っているのではないかと思います。管理組合はその個数と類似性を明らかにし、もし個数が多いようならば管理組合で建築士に依頼して、現象と原因を調査すべきでしょう。
【質問】その回覧板には「今後は共用部分であっても、2年経過し、重大な過失でないものについては、各戸にて有償対応して下さい」と書かれていたのですが、区分所有者が共用部分の損傷を有償で補修しなければならないのでしょうか。
【答え】ベランダは本来共用部分であり、各戸共無償で専用使用が規約で許されているのがほとんどです。従って、使用の仕方が悪くベランダに損傷を与えた場合は別ですが、外壁の部分のクラックなどはあくまでも共用部分ですので、管理組合で対応処理しなければなりません。区分所有者が個人で有償で補修する必要はありません。
特に外壁の躯体部分にクラックが入り、それにより雨漏り等の可能性があるときは品確法にもとづき、分譲会社に引渡しから10年の瑕疵補修を要求できます。
これには分譲業者は過失も重大な過失も故意も必要なく、無過失であっても買主は補修または補修に代る損害賠償を請求できます。
【質問】クラックの幅は何ミリ位であれば補修しなければならないのですか。また、どのような補修方法があるのでしょうか。
【答え】クラックの幅は、0.3ミリ以上になると雨が侵入するから必ず補修しなければならないといわれています。
補修方法はいろいろあるでしょうが、通常はクラックの回りをVカットし、エポキシ等の樹脂を注入しますが、すでに内の鉄筋に錆がついている場合、鉄筋の錆落しをして、その上に錆止めを塗ることも必要です。そうしなければ、鉄筋が錆びれば膨張するため、コンクリートのクラックはどんどん大きくなるからです。
いずれにしてもこの際、外壁クラックの原因を管理組合で調査し、管理組合で補修方法を決め、分譲会社にきちんと補修させる必要があります。