【質問】相続税の支払いを土地で物納することはできますか。
【答え】税金は行政経費を賄うために負担を求めるものです。したがって、現金での納付が原則です。しかし、相続した財産が土地や非上場株式などの場合は、すぐに売却することができないことがあります。このため、相続税は物納を認めています。
【質問】物納が認められる要件は。
【答え】次の(1)、(2)の要件を満たす場合、現金で納付することが困難である許可限度額の範囲内で物納による納付が認められます。
(1)納付すべき相続税額につき、延納によっても金銭で納付することが困難な事由があること。
(2)納税義務者の申請によること。
【質問】物納の許可限度額は。
【答え】次の(1)と(2)を基に計算した延納により、納付することができる額を控除した残額が物納の許可限度額になります。
(1)延納の許可限度額
次の算式で計算した金額が延納の許可限度額になります。
納付すべき相続税額−換価の容易な財産の額−生活費、事業用の運転資金の額
(2)納期限、納付すべき日以後の収入、生活費などを考慮した延納資金
次の算式で計算した金額をいいます。
合理的に計算した収入見込額−通常要する生活費、事業継続のための運転資金
【質問】物納の対象になる財産は。
【答え】相続税が課税された次の(1)〜(4)の財産で、国内にあるものが対象になります。
この場合、その相続財産により取得した財産は物納の対象になります。例えば、相続開始後に株式交換により別の株式と交換した場合の別の株式がこれに該当します。
ただし、相続時精算課税の適用を受けた場合の生前贈与財産は、対象になりません。
(1)国債、地方債
(2)不動産、船舶
(3)次の〈1〉〜〈4〉の有価証券
〈1〉 社債(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等を除きます。)
〈2〉 株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含みます。)
〈3〉 証券投資信託
〈4〉 貸付信託の受益証券
(4) 動産
【質問】物納を希望する場合の手続きは。
【答え】物納をするには税務署長の許可が必要です。物納の許可を受けるためには、相続税の納期限までに、又は納付すべき日に、〈1〉物納申請書と〈2〉物納手続関係書類を税務署長に提出します。
【質問】物納申請書などを受け取った税務署長はどうしますか。
【答え】税務署長は、申請者とその申請事項について、物納の許可の規定に該当するかどうかの調査を行います。
そして、次の行政処分をします。
(1)処分の期限
その申請書の提出期限の翌日から起算して原則として3月(最長9月)以内に行います。
(2)物納の許可又は却下
その申請に係る相続税額の全部又は一部について、物納財産ごとに、その申請に係る物納の許可をし、又はその申請の却下します。
【質問】物納財産はいくらで収納されますか。
【答え】原則として、相続税の計算の基礎となった評価額で収納されます。
ただし、収納の時までに、その財産の状況に著しい変化が生じたときは、収納の時の現況によるその財産の収納価額とすることができます。