 管理組合の理事長はマンションの管理者か
弁護士・田中峯子さん
2006年09月30日
【質問】マンションでは管理者がマンションの管理を行うと聞きましたが、管理組合の理事長は当然、管理者となるのでしょうか。区分所有法にはマンションの管理組合についてほとんど規定がないのですが。
【答え】区分所有法ではマンションの管理者としての規定はありますが、管理組合法人の規定を除いては確かに管理組合について直接的な規定はありません。
それでは全く管理組合についてないかと云いますと、区分所有法第3条に「区分所有者は全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し」と規定されています。
つまりこの第3条により、マンションを購入した区分所有者はすべてこの団体(管理組合)に入ることになり、勝手に入会を拒否したり、退会したり、また第2組合を作ってはならないと解されています。
したがって、マンションはまず管理組合を作り、全区分所有者は管理組合を通して行動することとなっています。
しかし、管理組合の理事長が当然マンションを代表する管理者となるのではなく、管理者には、例えば一人の代理人が選ばれてすべてを委託される場合、分譲業者または分譲業者によって管理組合が設立されるまで指定した管理会社等がなっている場合などがあります。
そのため、管理規約において、管理組合の理事長を管理者とする規定を記載しないと当然理事長が管理者とはなりません。
【質問】マンションを購入して管理組合を作るには4分の3の多数決とか、設立総会とか何か形式が必要なのでしょうか。
【答え】最初管理組合を作るには、区分所有者の中で有志の人が呼びかけて準備会のようなものを作り、ある程度の役員の立候補者を決めて設立総会を開きます。
設立については、4分の3以上の多数決とか2分の1の多数決は必要なく、前述した区分所有法第3条の団体が購入時から出来ていると仮定されているからです。
しかし、団体は出来ていても実際に機能するには執行する役員が必要なので、ある程度の役員選出はしておかなければなりません。
そして重要なことは管理組合の規約を作ることが必要です。第3条も「集会を開き、規約を定め、」と規定されているので、管理組合を設立させ管理業務を進行するためには規約を設定(作ること)しなければなりません。区分所有法第31条には、規約を設定するには「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議」が必要となっていますので、十分注意をしてください。
【質問】私のマンションの規約では、役員が順番制ではなく、立候補した者から選ぶように規定されているため、役員の立候補者数が不足しています。8人が必要な理事の定数に対し、6人の理事しか立候補していません。一部の区分所有者は、理事が不足して正規の理事会が開けないから、理事会の決定はすべて無効だと言ったり、そのような理事の不足する理事会が招集した区分所有者集会も手続きにおいて瑕疵があるから無効であると言ったりしています。どうなのでしょうか。
【答え】古くなったマンション等で役員数が不足する場合があることをよく耳にします。 管理規約を見ますと役員の章に、(1)理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期満了または辞任により退任した理事は、新たに選任された理事が就任するまでその職を行う(2)理事の任期は○年とする。ただし、再任は防げない。という規定があれば、理事が欠員となっても前理事が新たに理事が選任されるまで、理事の職務を行うことになっていて、形式上理事は常時8人存在することになります。ただ、前理事が理事会に出席せず欠席扱いとなっているにすぎません。
このような管理規約が存在する場合は、理事会決議も、理事会によって招集された区分所有者集会も有効に成立したとみなすことが出来るのではないかと考えます。つまり、理事会の決定も理事が2人欠席したと考え、残る6人のうち5人が賛成すれば理事会の過半数の賛成が得られて決議が有効となるのではないでしょうか。
また、同様の規定が区分所有法第49条の管理組合法人規定の5・6項に規定されています。
あなたのマンションの管理組合が管理組合法人であれば、規約にそのような規定がなくとも同条項によって同じ結論が得られます。
また、法人格のない管理組合であって、そのような規定のない場合であっても、区分所有法第49条5・6項が類推適用されるのではないでしょうか。
そのように理解しないと、現実に機能しないマンションが増え続けるようになると思われます。
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