現在位置:asahi.com>住まい>ここが知りたい> 記事

PR 注目マンション情報

「ここが知りたい」

父所有の家屋に私が増築すると税金は?

2007年12月15日

税理士・多田雄司さん

【質問】 父が所有する家屋に同居人の私が1000万円をかけて増築すると税金の問題が生じますか。

【答え】 このままだとお父様に贈与税が課税されます。

【質問】 なぜですか。

【答え】 その理由を知るためには、民法の付合の考え方を知っておく必要があります。

民法では、「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する」と規定しています。

【質問】 私の場合は。

【答え】 1000万円の増築部分は、独立した家屋ではないので、付合により、お父様のものになる、ということです。

【質問】 贈与税額は。

【答え】 お父様に231万円の贈与税がかかります。

(受贈額1000万円−基礎控除額110万円)×贈与税の税率40%−速算表控除額125万円=231万円

【質問】 対処する方法は。

【答え】 お父様に1000万円を出す余裕があれば、出してもらうのが、1つの方法です。贈与税の問題は生じません。

【質問】 父には余裕資金はありません。

【答え】 お父様が所有する家屋の持分の一部をあなたに売却するのが、次の方法です。

【質問】 家屋の時価が問題になりますね。

【答え】 固定資産税の評価額で売買すれば贈与税の問題は生じません。

固定資産税の評価額は、市町村の固定資産税課で評価証明書を発行してもらい確認します。

【質問】 父の家屋の固定資産税の評価額は600万円です。売却する家屋の持分割合は。

【答え】 次の算式で計算した62.5%をお父様からあなたへ売却する持分割合とします。売却代金は、375万円です。

1000万円÷(1000万円+600万円)×100=62.5%

600万円×62.5%=375万円

【質問】 売却代金の支払い方は。

【答え】 あなたが出した増築費用1000万円のうちの375万円で支払います。

【質問】 残りの625万円は。

【答え】 あなたは、お父様から62.5%の持分を取得しました。そこで、その持分に応じた増築費用の負担額は625万円(1000万円×62.5%)になるので、これに充てます。

したがって、あなたが出す増築費用の1000万円について、贈与税の問題は生じません。

【質問】 父は受け取った375万円について譲渡所得の申告が必要ですか。

【答え】 はい。当初の建築費がわかっておれば、建築費から減価償却費を差し引いた全体の取得費を求めます。その37.5%の金額を売却代金である375万円から差し引いて譲渡所得を求めます。

もし、当初の建築費がわからない場合は、375万円の5%、すなわち18万7500円を取得費とします。この場合は、その控除後の残額356万2000円(1000円未満の端数は切捨て)の20%、つまり、71万2400円の所得税、住民税がかかります。

贈与税の231万円に比べると少なくなりますが、かなりの負担になります。

ただし、当初の建築費がわかっている場合は税負担がゼロかごくわずかになる可能性があります。


このページのトップに戻る