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The theme of the week
 我が家、外見もスゴイんです!
fromオーストラリア・柳沢有紀夫
21世紀のバベルの塔?

左の「普通」の2階建てと比べると、高さがわかる
別のアングルから

 「バベルの塔」と言えば、旧約聖書創世記に出てくる巨大な塔。人々はこぞって天まで届く塔をつくりあげたが、それを見た神が人間の驕(おご)りへの戒めに、言葉を通じなくした。そのため人々は各地に散らばって別々の言語を話すようになったという逸話がある。さて、今回はそんなバベルの塔のような話だ。

 増築というと、庭の一部をつぶして横に広げることを連想される方が多いだろう。ところがオーストラリアでは、縦に増築することが多い。しかも、2階部分を載せるのでも地下室を作るのでもない。平屋をそのままクレーンなどで持ち上げて、つっかえ棒の代わりに枕木のようなものを積み上げ、その下に1階つくってしまうのである。

 ブリスベンのあるクイーンズランド州には、もともとクイーンズランダーと呼ばれる「高床式」の家が多い。亜熱帯で夏が長いが、高床式にしておけば、風通しも良く、湿気もこもらないという生活の知恵だ。この高床式の家をもう少し高くして、ついでに下のスペースを有効利用しようというのが、縦への増築のそもそもの考え方だ。1階部分は居室として使ったり、パーティールームにしたりすることもあるが、一部をガレージにすることもある。

 増築して空間を増やすというのは、わかる。だが日本と比べて土地がたっぷりあるオーストラリアなのに、なぜわざわざ縦に増築するのか。理由はいくつかある。  一つは、2階が日光を遮ってくれるので、1階部分が非常に涼しくなること。日差しが強烈なクイーンズランド州では屋根裏に断熱材を入れることが多いが、それでも効果は限られている。だが、屋根裏と2階で二重に太陽の熱を遮れば、快適空間ができあがる。

 もう一つは、眺望が良くなること。平屋が2階建てになるのだから、当然だろう。

 さて、この「眺望」に注目した人がいる。なんと平屋を3階部分の高さにまで持ち上げてしまったのだ。周りにある普通の2階建ての家から頭一つ抜け出しているわけだから、もちろん見晴らしは最高。他の家々を見下ろすわけだから気分も最高だろう。

 気分が悪いのは、見下ろされた方の家々の住人。改築中から抗議運動を起こしたが、法律でもどこまで持ち上げていいのか定かではなく、結局、押し切られてしまった。

 同じ英語での会話なのに、施工主と周りとの言葉は通じなかった……。地元では「トールハウス」と呼ばれているこの家だが、私は「21世紀のバべルの塔」と呼んだほうがいいと思う。 (2004/06/05)













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