The theme of the week
よりどり間取り
fromフィンランド・大久保慈
開けてびっくり扉の向こうは?!
フィンランドのヘルシンキ中心部には、1800年代後期から1900年代にかけて建てられた石造りの建物や古いアパートがたくさん残っています。ナショナル・ロマンティシズムとかユルゲンドなどと呼ばれる様式の建物には、フィンランドの伝説に出てくる小鬼やカエルなどの動植物の飾りがついており、散歩も楽しくなります。その名のとおりロマンチックな街角であるうえ中心部という便利さもあって、そういった古いアパートはとても人気があります。小さな部屋でも天井が高いので、部屋も広く見えます。
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| ヘルシンキの街のナショナルロマンティシズム。壁の装飾や色は建設当時のまま | ヘルシンキの街の高級住宅街。石造りの家が並ぶ |
でも、そんなアパートに住んでいる友人たちを訪ねると、建築にたずさわる人間としては目からうろこが落ちるようなことがしばしばあります。後ろ向きに入って用を足したら前進しないと出られないような小さなトイレなどは序の口。先日訪ねた友人の家はワンルームの間取りに小さなドアがついていて、開けるとなんとキッチンとバスタブが同じスペースにあったのです。
その昔、フィンランドでは銭湯ならぬ公衆サウナがたくさんあり、老いも若きも通っていました。そして、トイレは中庭などにアパート全体の共用物として建てられていたのです。メイドさんが住み込みで働いていたり、使いの人が食品などを裏口から届けていたりしたような大きなアパートを、小さく仕切って数軒のアパートにすることもあります。古い石造りの家の壁は分厚く硬いので、容易には壊せません。だからトイレなど必要なものを付けるのにも、思い切った改装をすることになるのです。
ヘルシンキのみならず、古い街の古い建物の中にはきっと、そんな昔の名残があるアパートがたくさんあるのでしょう。そんな建物に住む友人たちは、そんなおかしな間取りを誇らしげに客に見せ、うれしそうに言うのです。「古い家だからねぇ」とか「ヘルシンキで一番小さなトイレだよ」とか……。
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| 思わずわが目を疑うバス・キッチン |
(2004/07/27)
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