The theme of the week
ホームパーティーにおいでよ
fromオーストラリア・柳沢有紀夫
バービー・パーティー?
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| 木炭式のバーベキューコンロ。時間はかかるが味はバツグン |
オーストラリアで暮らしていると、「わが家でバービーをするからおいでよ」と誘われることがよくある。えっ、バービーって、人形のことだろ?
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生に恥」と素直に質問してしまえばいいが、なかなかできない。で、まさかとは思いながらも、わざわざおもちゃ屋で人形を買って、カバンにしのばせて行った中年男1人、バービーの相手方のコスプレをさりげなくして行った同じ中年男1人を、私は知っている(私ではない、断じて)。
じつは「バービー」とは、「バーベキュー」のことである(今、私は多くの「素直に聞けない日本人」を救ったという幸福感に満たされている)。
オーストラリア人は何でも省略するクセがあって、オーストラリア人という意味のオーストラリアンは「オーズィー」、政治家という意味もポリティシャンは「ポリー」、蚊という意味のモスキートは「モズィー」としてしまうのである。固有名詞も平気で省略して、マイケル・ジャクソンは「マコジャコ」である。信じていただけないかもしれないが、本当の話だ。
さらに恐ろしいことに、こういった言葉が新聞の見出しで平気で使われる。言ってみれば朝日新聞が1面で「純ちゃんサミット、チョベリグ!」とやっているようなものである。
バーベキューは話し言葉では「バービー」と省略されることが多いが、書き言葉で「BBQ」と書かれることも多い。そうやって、あだ名が多いというのは人気がある証拠。本当にオーストラリア人はバーベキューが好きで、寝ても覚めてもやっている。ホームパーティーと言えばバーベキューである可能性が高いのだ。
さて、ではここでバーベキュー・パーティーのルールをご説明しよう。まずまるで紅白歌合戦のように、白組・紅組に分かれる。紅組の定位置は、パティオやベランダのテーブル。ここで優雅にワインを飲みながらおしゃべりである。一方、白組の定位置は、バーベキュー・コンロのそば。ここで火をつけ、肉を焼くのが仕事。跳ね返る油と煙にまみれ、白組だったはずが、誰もが灰色組になるのである。
まあ、オーストラリアでは普段から女性の方が強い家庭が多いので、バーベキュー・パーティーもその延長にすぎない。そこで女たちは自分の夫の無能さをボヤき、慰め合う。男たちは自分が家庭でいかに虐げられているかを嘆き、肩をたたき合う。
ホント、煙が目に染みます。(2004/10/19)
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