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The theme of the week
 ホームパーティーにおいでよ
fromスペイン・東佐智代
バーベキューは地下室で

 「エブリシング・アンダー・ザ・サン」

 ひとむかし前の、スペイン観光局のうたい文句だ。北ヨーロッパから来るバカンス客向けのスローガンのとおり、太陽の光さんさんとふりそそぐスペイン。青空の下、じゅうじゅうと焼ける肉をほおばるのは、また格別。ホームパーティーの王道、バーベキューである。けれど、そんなスペインでも秋になればみぞれが降るし、冬が来れば雪もつもる。そこで活躍するのが、地下室バーベキューだ。

 酒蔵とか貯蔵庫のことを、スペイン語で「ボデガ」というが、ふつうの家で「ボデガ」といえば、おおむね暖炉が付いた地下室のこと。はじめてそう聞いたとき、私は思った。でも暖炉って、ちろちろ燃える炎とか、まきの香りを楽しむもんじゃないの? そんなとこに、骨付き肉やらチョリソやら突っ込んだら、せっかくの暖炉に焼き肉屋のにおいが……。

 そんな心配は無用だった。もともと、ボデガの暖炉はバーベキュー用に作られたもので、きゃしゃな装飾はなく、あっさり田舎風のものが多い。大勢が座れるベンチに大きなテーブル、そして簡単な調理台や流しを付けるなどして、いちいち階段を上り下りしなくてもいいように工夫されている。

 新しい建売住宅だと、地下室には何も付いていないことが多い。けれど、煙突につながる穴と排水溝だけは付けてある。住む人が、それぞれの予算と好みに合わせ、暖炉や流しを作れるようになっているのだ。

 なるほどなるほど。でも、としつこく私は思った。なんとなく陰気じゃないの? せっかくのパーティーを薄暗い地下室で……。

 そんな心配も無用だった。だいたいが、声がでかくてにぎやかなスペイン人である。どこにいようが陰気になるはずがない。それに夜なら、外は始めから真っ暗だ。そして夜のパーティーでこそ、地下室バーベキューは本領を発揮する。

 第1に、騒音が外に響かない。棟続きのテラスハウスの場合でも、地下は駐車スペースと兼用になっていることが多いし、よしんばお隣がボデガでも、お互いさまだから問題ない。第2に、後片付けをしないで寝ても、住まいは上の階だから、起きぬけに昨夜の残骸(ざんがい)を目にしなくてすむ。つまり、安心して騒ぎ、酔っ払えるのだ。

 地下室バーベキュー、あなどれない裏ワザである。暖炉を作るなら、居間ではなくボデガに、という人が多いのもうなずける。

ボデガの暖炉はあっさりしたデザインが多い。 最近よくあるテラスハウス。一番下の窓が、ボデガの明かり取りだ。
(2004/11/10)













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