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わが家のランパスは私の書斎として使われている |
from オーストラリア・柳沢有紀夫 家族団らんの場所
私と同じくオーストラリアのブリスベンに住む日本人Aさんから、「わが家にはランパブがあって、そこが家族だんらんの場です」と聞いたとき、わが耳を疑った。「下着姿の若い女性とお酒を飲む部屋」が一般家庭にあるのは、まだいい。いや、疑問点は多々あるのだが、この際目をつぶろう。だが、それが「家族だんらんの場」とはどういうことだ。
家族だんらんの場というからには、家族以外の若い女性がいるわけではないだろう。それではだんらんの場ではなく、修羅場となってしまう。想像したのが、Aさんの奥さんが下着姿になって、Aさんに水割りか何かをつくっている姿。美人でスタイル抜群の奥さんだから、それもサマになるかもしれない。知的な彼女が嬌声(きょうせい)を上げている姿はあまり想像できないが、できれば、ご相伴に預かりたい。
だが待て。Aさんは「家族だんらんの場」と言ったぞ。ということは、11歳になるお嬢さんにも下着姿でお酌をさせているのか。確かに若い女性と言えば、奥さんよりも若い女性。だが、若すぎる。どう考えても虐待か犯罪ではないか。
ここまで連想を膨らませて、やはり話に無理があることを悟った。きっと根本的なところで間違っているに違いない。Aさんに再び聞いてみて、家族だんらんの場は「ランパブ」ではなく「ランパス」であることを知った。
ランパスのつづりは“rumpus”。英和辞典には「大騒ぎ」などと訳が記されている。やはり酒池肉林のらんちき騒ぎをする場所なのかと考えたが、これまた早合点。“rumpus room”とすると、「遊戯室」という意味になるのだそうだ。
実際のランパスは、たいてい10畳分以上の広い部屋。ただしリビングとは違い、家の隅のほうにある。お客様向けではない、家族だけの部屋だ。
「遊戯室」という名の通り、ビリヤード台や卓球台を置いている家もあれば、AV機器を集めてホームシアターとしているところもある。ちょっとしたバーカウンターをつくる家もあれば、ソファを並べてカフェ風にするところもある。だが若い女性を置いている家は、やはりない。