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天井に張ってある右側のステッカーがキブラの印 |
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アラビア語表記だと何が何だかわからない |
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これがうわさの「キブラ携帯電話」 |
アラブ首長国連邦・伊勢本ゆかり 所変われば、家変わる
アラブ諸国を旅するととても気になる不思議なものに出あう。ある一方向を矢印で示した「方位針」のようなものがホテルの天井に、時にはデスクの上に、枕元に。飛行機に乗ると、飛行状況を知らせるスクリーンに飛行機の見取り図と、その矢印が登場し、方向が刻一刻と微妙に変化する。
初めて目撃したその時は、ホテルの天井で発見。ベッドに横たわりながら、「あぁ、寝ている時に緊急事態が発生しても、目を開ければ非常口の方向が分かるようになっているのか。親切だなぁ」と、のんきに考えていた。
ところが別のホテルで、その矢印が隣室の壁に向かっていることに気づいた。扉も無い、ただの壁に向かっている矢印、明らかに非常口の印ではなさそう。さらに、アラビア語で何か書いてある横に、英語で「キブラ」と読める文字。
そう、これがいわゆるメッカの方向、イスラム教徒の「礼拝の方角」を知らせる矢印「キブラ」なのである。
イスラム教では1日5回の礼拝が義務付けられ、敬虔(けいけん)な教徒は旅先でもこの義務を怠らない。見知らぬ土地を訪れたイスラム教徒が、その方向を間違えることなくメッカに向かって祈りをささげられるよう、アラブ諸国ではこの表示がほとんどのホテルで見られる。
飛行機での旅行中も同じこと。スクリーンで機内のどこの方角を向いてお祈りをすればよいのか迷わずにいられるので、トイレ付近や通路でいきなりお祈りをささげている人に遭遇することも多々ある。
また先頃、「キブラ」の方角と礼拝の時間をアラームで知らせる携帯電話も発売され、砂漠のど真ん中、いや世界中どこに行っても迷わず祈りがささげられるとアピール中だ。
旅先でこの表示を見かけても、アラビア文字でしか表示されていないことも多い。アラブやイスラム諸国を旅行の際には、決して非常口の方向や方位針のように「北」を示しているわけではないことを、心にお留め置きあれ。