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最近の人気急上昇に、ひとみを輝かす裸犬君 |
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アンデス娘風にきめた裸犬嬢。服を着ても裸犬とはこれいかに? |
ペルー・飯尾響子 防寒をアツく語ろう!
ペルーには俗に「裸犬」と呼ばれる、たいへん変わった犬がいる。その名のとおり毛がない裸状態の犬で、かろうじて頭としっぽ、足先に、わずかな毛が生えているだけだ。
性質はふつうの有毛犬と同じで(しつけにもよるだろうが)、飼い主への愛情が深く、明朗活発。その気になれば2メートルの高さまで跳躍し、本気で走れば時速60キロまで出せるというから、きっと昔は家畜の群れをピューマから守る番犬として大いに活躍していたことだろう。
裸犬の一番の特徴は、そのアツさにある。40度という高い体温で、しかも毛がないので手ざわりはまさに「お湯の入った革袋」。それで昔、アンデス世界の人々は、冬場や病気の時にこの犬を抱えて暖を取っていたのだという。またリウマチのつらさを和らげるのにも、裸犬の添い寝はとても効くらしい。
これがふつうの犬だと、諸般の理由から湯たんぽに使うのはちょっと抵抗がある。けれど裸犬ならノミやダニがすみつく場所(毛)がないので、清潔で人のアレルギー源にもならず、おまけに犬臭さもまったくない。そういった長所のおかげで、一時は絶滅しかけていた裸犬が注目されるようになり、98年には「ペルーの無毛犬」という犬種として国際的に認められて愛好家協会もでき、今では少しずつ数も増えている。
ただ、知人が飼っている裸犬君をなでてみると、そのぺたっと湿り気のある肌ざわりが何やらヒトめいていて不気味なのも事実だ。メス犬ならまだしも、『八犬伝』の伏姫でもあるまいに、オスの裸犬といっしょに眠るのはちょっと、などと思ってしまう。でも飼い主によれば、冬はそばにいるだけで暖かいので、なにも布団に入れなくても防寒効果は十分あるのだとか。確かに手をかざすだけで、ぽかぽか熱気が伝わってきて、いやはやおそるべき熱源犬である。
ただ、無敵に見える裸犬にも弱みはある。人のように軟らかな皮膚だから、日焼けや皮膚病、ケガを予防するためには、服を着せて家の中で飼うほうがいいそうだ。幸いにもリマでは、みんな家でも土足暮らしだから、こういう犬が走りこんでも、ちょっとくらい粗相をしても、さほど困りそうにない。
だいたいが裸犬を飼うことは防寒に役立つのみならず、ペルーの貴重な絶滅危惧(きぐ)動物を守ることにもつながっている。鼻アレルギーの私も、それほど清潔な犬ならちょっと飼ってみたい気がしてきた(ただしメスに限る)。欧米では1頭数十万円もするそうだが、今のところリマ市内では1万〜2万円で購入できるのも、また魅力である。