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一見すると昔ながらの普通のトースター |
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ところが内部が飛び出す! |
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厚くなったパニーニを入れるときは取っ手部分をギュッとつまんで口を開く |
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お好みの焼き具合になったら内部丸ごと取り出す |
イタリア・はらなおみ 家具と家電
飛び出す絵本というのは見たことがあったが、「トースター」が飛び出すのはイタリアに来て見て驚いたことの一つである。焼きあがったパンが“ポン”と、飛び出すのではなく、「トースター」の内部ごと飛び出すのだから……。
日本で“トースト”というと、食パンをコンガリ焼いたものだが、イタリアでは普通、食パンにハムとスライスチーズをはさみコンガリ焼いたもののことをいう。日本でいうホットサンドイッチのイメージだ。具をはさんだパンはイタリア語で“パニーニ”と総称されるが、“トースト”以外は食パンではなく、固めのパン、またはそれをスライスしたものに生ハムやサラミ、ルッコラなどのイタリア野菜をはさんだものがよく食べられている。“パニーニ”は温めて食べることが多く、この飛び出す「トースター」、“パニーニ”を温めるためにとても優れているのである。
どういう風に優れているのかというと、具を挟んだパンは当然厚くなる。そこでトースターの内部を取り出し、取っ手をつまんで口を開く、そこに厚いパニーニを入れ、ギュッと押し込み閉じる。金具によってしっかりはさまれたパニーニは具が飛び出すこともなく圧縮され、そしてパンの表面はコンガリと焼き上がるのである。もし、小さなパンを入れて下に落ち込んでも、たまに具が多すぎて取り出せなくなっても、ゼンゼン大丈夫! 内部にナイフやフォークなどを入れる危険を冒さなくても内部ごとそのまま“ポン”と取り出せばいいだけだ。
最近、日本ではこのような上からパンを落とし込むタイプのトースターは少なくなって、平面状にパンを置くオーブントースターが一般的になっているようだが、イタリアではほとんど見かけない。平面状におくだけでは具をギュッとはさんで焼き上げることはできないのだから、飛び出す「トースター」とは、なんともイタリアの食生活に密着した画期的なアイデアだろう! と、唸(うな)った。
が、ハムや野菜をはさんで押し込むので、想像以上に汚れるという問題点が浮上してきた……。う〜ん、どうして、世の中こううまくいかないのだろう……。
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