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自然を大切にするキテレツな街

2006年11月22日
米国・片瀬ケイ  素敵なスローライフ

 テキサス州の首都は、私の住むダラス市から車で3時間半ほど南にいったオースティンという町である。ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領になる前は、テキサス州知事としてオースティンにいた。さぞや保守的でお堅い街だろうと思うかもしれないが、これがまったく違う。

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マラソン大会の垂れ幕にも、キープ・オースティン・ウィアードのスローガン

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ダウンタウンの中心を流れる川沿いのドックパーク(手綱なしで犬を遊ばせることができる)。犬と遊び、走り、人と出会うのが重要なレクリエーション活動だ

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町の中心から30分もドライブすれば、こんな自然のわき水プールが。何千年も前に地下河川の天井が落ちてできたハミルトン・プール

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今やオーガニック食料品店の大手となったホール・フーズ。もちろん、リサイクルに取り組んでいる。日本では当然でも、アメリカでは珍しいことだ

 人口68万人のうち、5万人程度は全米でも高い教育レベルを誇るテキサス大学本校の学生たちで、街の雰囲気はリベラルだ。春にはSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)というインディーズを中心とする5日間にわたる全米最大の音楽祭が行われる。映画産業も盛んで、『スパイ・キッズ』はオースティンで製作された。

 まず、町のスローガンからしておもしろい。「Keep Austin Weird(キープ・オースティン・ウィアード)」。ウィアードとは、奇妙とか変とかいう意味で、キテレツなオースティンを維持しようといった感じだろうか。

 どこがキテレツかというと、一言で言えば、時流にとらわれず、スローライフを維持している街だということだろう。テキサスという広い土地柄、大量消費、大量廃棄、大型開発など、大きいことは良いことだという州にあって、オースティンの住民は自然保護や乱開発の禁止などに熱心で、州で唯一の100%風力発電の会社がある。自転車人口も多い。

 また1980年には、オースティンの3人のビジネスマンが健康によい食材、持続できる農業をテーマに、有機栽培の食材を売る食料品店「ホール・フーズ・マーケット」を始めた。今では全米と英国に合計で184店舗を持つまでになったが、今でも地元の小規模有機農家を中心に食材を調達している。

 オースティンには大型遊園地も動物園もないが、天然わき水のプールなど、川や湖沿いに数多くの公立公園がある。特にトラビス湖周辺に公園が多いが、その一部のヒッピー・ホローというビーチなどは、今も水着の着用はオプションで、裸で泳ぐことができる。毎年、ゲイ・レズビアン団体がここでフェスティバルを開催している。

 自然や環境を愛する土地には、その土地を愛する人々が集まる。テキサス大学で修士号や博士号をとっても、ウェーターをしてでもオースティンに残るという人々もいる。オースティンはいつまでも、自然と人と音楽を愛するスローライフの街であってほしい。

 

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