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「世界のウチ」

ひとつの無駄もない暮らし

2007年06月02日

ネパール・うえのともこ エコでいきましょ!

 エベレスト街道トレッキングに出かけると、おとぎ話に出てくるようなすてきなお家に出会う。「あ、水玉模様のかわいいお家だ! 小人さんが住んでいるのかな?」近づいてみると……。素手で茶色い円盤をコネコネしながらにっこりとほほ笑む若い女性。それを外壁にぺたっ。太陽光と石壁のぬくもりを利用して乾燥させ、牛糞(ふん)燃料を作っているのだった。

写真エベレスト街道のすてきな水玉模様の家
写真これを笑顔でこなせるようにならないとここでは生活できない
写真亜熱帯エリアの台所は軒先。赤土のかまどに薪やとうもろこしの芯をくべて調理する。灰は食器洗い洗剤に

 山また山のネパールにはまだまだ電気、ガス、水道がないところが多い。炊事は当然、薪。高地のエベレストエリアは特に薪は貴重品なのでヤクやゾッキョ(ヤクと牛の掛け合わせ)の糞もこうやって大切に利用されているのだ。

 もう少し高度の低い亜熱帯山岳エリアでは、山へ行って自分で薪を取ってくる。実を取って乾燥させたとうもろこしの皮や芯もりっぱな燃料だ。

 赤土作りのかまどに薪やとうもろこしの芯をくべ火をおこし、自分の田んぼで取れた米とその周りで作っている野菜を調理する。バザールで買ってくるのは塩とスパイスくらい。

 米のとぎ汁や野菜くずはヤギや水牛などの家畜にやれば、ミルクになって出てくるし、虫食いの豆や米をその辺にふるい落としておいても、鶏がやってきてきれいに掃除してくれ、おいしい卵と肉になる。

 こうやってご飯の支度をして、食事を済ませたら後片付け。かまどに残っている灰を鍋や皿にパラリと乗せ、ヘチマのたわしでシャカシャカこすり、少量の水を流しながら手でよくふって、はい、おしまい!

 口から入ったものは当然下から出るがトイレはない。その辺に隠れて用を足すのだが、トイレットペーパーなんてもちろんないので目に付いた石や葉っぱを利用。落とし物は土に帰ってゆく。またそれは農作物の肥やしになり、米や野菜が出来るという具合に、とても小さな範囲で無駄なく循環していく。

 私たちが加担している地球温暖化は、このような生活をしている人たちにも平等に及んでいることに申し訳ない気持ちがする。こんな生活を実践するのはムリだとしても、数日間のエコツアーでなら学ぶことも多いのではないだろうか? 「村の生活は楽しいよ。ネパールへおいで!」村人が手招きしている。


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