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「世界のウチ」

ごみを捨てるにもお金がかかる

2007年06月06日

ドイツ・猿渡晶子 エコでいきましょ!

 ドイツでは、ごみの分別が細かく指定されており、はじめのうちはなかなか厄介だ。普通のごみ箱、リサイクル用のごみ箱、生ごみ用、紙類用と、家庭には四つのごみ箱が必要だ。しかもここでは、ごみの分別に熱心なだけでなく、ごみの量を減らそうと各家庭が努力する。これは、環境のためというより、ごみを捨てるにもお金がかかることが大きい。出すごみの量が多ければそれだけお金がかかるので、なるべくごみを減らそうとするのだ。

写真家の前に置かれた家庭用ごみ箱。緑は生ごみ、青は古紙、黒は一般ごみ用。普通、ごみ箱の容量によって市に支払う値段も違ってくる。よって、ごみの多い家庭は支払う料金も多くなる
写真グリーンのエコマーク。このマークがついているものすべてがリサイクル対象になる
写真日用消耗品のほとんどのパッケージにエコマークがついている。その素材も、ガラス瓶、プラスチック、紙箱など様々だ

 リサイクルされる物にはあらかじめグリーンのエコマークが印刷されている。このエコマークがついているごみは、市から支給される黄色いごみ袋にまとめて入れ、指定の日に指定された場所に捨てておく。お菓子のパッケージやヨーグルトのプラスチック容器などにもこのグリーンのエコマークがついているのだが、リサイクルされるのだから、清潔にするためごみ袋に入れる前に洗っておくという人と、洗うと下水を汚すことになるから洗わずに出していいんだという人がいる。面倒なので私は洗わずに出すが、どちらも正しいような気がする。

 紙は、紙専用のコンテナに廃棄する。普通こちらでは古新聞や雑誌だけではなく、小さな紙封筒や書き損じのノートにいたるまで紙製品なら何でもこのコンテナに入れる。私の知り合いのあるドイツ人などは、鼻をかんだ後のティッシュまで入れる徹底ぶりだったが、これで再生紙が作られるのを想像すると、いい気はしない。

 生ごみは、生ごみ用のごみ箱に捨てるか、庭がある場合は、コンポストを設置し、堆肥(たいひ)に変えて使用したりする。食べ残し、果物の皮以外に、使用済みティーパックなども生ごみに分類されるわけだが、これについては少々うるさいことを言う人もいる。学生寮に住んでいる時分、ティーパックについている小さな金属の留め金は、土に返らないので他の生ごみと一緒にしてはいけない、はずしてから捨てろという人がいて弱ったことがある。しかし、そこまでいちいち徹底している人は、きちょうめんなドイツ人の中でもさすがに少ない。それに最近は金属の留め金がなく、糸が直接縫い付けてあるティーパックも多くなってきた。

 ごみの分別は確かに大変だが、それも初めのうちだけだ。慣れれば、どんなごみも一緒くたに捨てることが気持ち悪くなり、苦にならないどころか、かえって爽快(そうかい)な気分になってくる。そうなれば、あなたも立派なドイツ社会の一員だ。


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