PR 住まいの最新情報パッケージなしだから美しいもの2007年06月13日 フランス・兒玉ゆきこ エコでいきましょ!
“ベレー帽とフランスパン”。この風刺的なフランス人のイメージは、あながち単なるステレオタイプでもなさそうだ。というのも、素手にバゲットとよばれるフランスパンを持って街を闊歩(かっぽ)する人々のすがたは、全国津々浦々この国ではまず普通にみられる光景であるし、このイメージはフランス人の認識と生活に根付いている最少包装の風習を反映しているから。
フランスでは、食料品がしばしば量り売りにされる。それは市場に限ったことでなく、スーパーでもそう。この光景をみるにつけ、農業の、美食の国フランスのお国柄を象徴するいい眺めだと、やや主観的ながら思う。 例えば野菜や果物。量り売りなので包装はされていない。それがまた美しかったりする。旬の収穫物、エキゾチックなトロピカルフルーツなどがかごにスタンドに巧妙に高く盛ってある様子はある意味芸術的だし、野菜果物コーナーのあたりに漂う香りが嗅覚(きゅうかく)にも良い。 鮮魚コーナーもまたしかり、包装なしの量り売り。色んな種類の魚介類が、あるいは切り身であるいは一匹丸ごと、氷の山の上に華麗に陳列される。野菜果物のような芳香ではないかもしれないが、それもまた臨場感があるというもの。 肉はというと、冷蔵コーナーの隅の方にパッケージされて控えめに売られているものも結構ある。それでも、ブッチャーコーナーの併設された場合が多く、そちらのほうが断然魅惑的である。種類だって豊富だし、経験からいうとなんといってもエコノミックでもある。 世界的傾向かもしれないが、フランスでも近頃スーパーなどでは、何度も使えるショッピングバッグの購入を勧めるところや、レジ袋の配布をすっかりやめてしまったところも多い。が、そのような意識付けがなくとも、買い物かごやキャリーを持ってお買い物に行くというフランス人の姿は、普段よく目にする。もちろん若い人だって。最近のこの傾向への反応を観察してみると、どうも人々は、買い物バックを持っていくのが当たり前“だった”のだ、と思っているようだ。 持参の買い物かごで、必要な分だけ、最少包装の食料品を、というのは、こと最近見直されているエコロジーへの一アクションである。けれど、それは昔ながらに定着していることで、昔ながらのこの国らしい一つの風景なのだと、フランスに暮らしているとそう思う。 |