2008年1月12日
将来は調理師になるのが夢と言うシュテフィーさん。愛用しているのは日本製の包丁。「よく切れるわよ」とご満悦。
シュテフィーさん愛用の「サムライ包丁」。刃に堂々と大きな字で漢字がプリントされている。
最近は、どんな小さな地方都市でもSUSHIが食べられるようになった。経営者及び調理人は大抵ベトナム人か中国人だ。
ドイツに旅行に来る日本人観光客が必ずといっていいほど求めるのは、ゾーリンゲンの刃物だ。正しくは、ゾーリンゲンは刃物が生産される町の名前で、会社名ではない。ドイツ語で「双子」を意味するツヴィリング社をはじめ、刃物会社数社がゾーリンゲンに本拠を置く。爪切りからジャガイモの皮むきナイフまで何でも揃い、日本人観光客は何十本とまとめてお土産に買っていく。ゾーリンゲンのおかげで、刃物と言えばドイツという固定観念が日本人のなかにできているほどだが、ドイツ人に人気なのは何を隠そう日本産の刃物だ。
台所用品を扱う店に行くと、必ずといっていいほど日本産の包丁が匠の名前入りでショーウインドーにものものしく飾られている。サムライの国、日本の刃物は非常に人気で、どうやらそれは切れ味のよいサムライの刀という発想からくるらしい。私がかつて日本語を教えていた学生の中にも、日本に行って日本刀を作る巨匠のもとに弟子入りしたいという人がいたくらいで、日本の刀人気は大変なものだ。
もう一つ、よく台所で出会う日本のものとして、箸があげられる。箸はSUSHIのおかげでドイツ中でポピュラーなものとなり、なまじの日本人よりよほど器用に箸を使いこなす人も多い。最近は、箸の持ち方を教えてくれと頼まれることも、とんと少なくなった。それだけ箸が浸透した証拠である。ここドイツでは、台所やレストラン以外でも箸を見かけることがある。ドイツ女性は特別な時以外、長い髪を肩にたらすのがあまり好きではなく、ひとまとめに無造作にゴムでたばねて結い上げてしまう。その結い上げられた髪にかんざしよろしく挿してある飾りを見れば、なんと箸である。
金や銀をちりばめて彩色された和風の箸は確かに美しいが、高く結い上げられた金髪の間から、交差して鬼の角のように突き出ている箸を発見したときは、何とも奇妙な気持ちになったものだ。