2008年2月2日
壁に仏様の顔のレリーフが飾られた近所の寿司バー
仏像を中央に飾ったカフェ近所の家の玄関を飾る仏像。“ガーデン用仏像”はインテリア用品店などで3〜4万円で売られている
ロサンゼルスに住んでいると、仏様に出会う機会が実に多い。
例えばうちの近所のおしゃれな寿司バー。壁は金色に輝く仏陀の顔のレリーフで覆われ、カウンター前には立ち姿の仏像が3体設置されている。カウンター席に座ると、周囲を仏様に取り巻かれた上、正面の3人から飲み食いする姿をじっと見下ろされる格好になってしまう。
そんな状況で気楽にくつろげるはずもない。仏様を飲み屋に設置するのはやめてもらいたいと私は常々思っているのだが、このように内装に“ブッダ”を使用したバーやレストランはロスのあちこちにある。
売り出し中の中古住宅をオーナーが住んでいる状態で一般公開する「オープンハウス」でも、かなりの確率で仏様に遭遇する。
ある日、ひやかしでのぞいた家の裏庭に出ると、少し離れたところにウッドデッキがある。何だろうと思って近寄っていくと、デッキの片隅で等身大に近い仏様が一人静かに座禅を組んでおられた。横でチベット風の旗が風になびいているところを見ると、エキゾティックなヨガコーナーのつもりなのだろう。ここロサンゼルスでは、このように屋外でアジアンムードを演出する小道具の役割を担う仏様も頻繁にお見かけする。
私は別に仏教徒ではないが、このように仏像が単なる装飾品として扱われているのを見ると、「うーむ」とうなりたいような、複雑な気持ちになってしまう。しかし、実は日本人も似たりよったり。とても他人を非難できる立場ではない。
日本人はよく十字架形のネックレスをつけている。もちろん私も何個も持っている。先日、そのうちの一つをつけて出かけたら、アメリカ人の知人が「あなたキリスト教徒?」ときいてきた。違うと言うと、「だったら十字架をつけてるのはヘン」と顔をしかめる。言われてみれば十字架はキリスト教の大切なシンボル。私は単にアクセサリーとして身につけていたのだが、彼はそれをものすごく不適当だと思ったようだった。どうやら他国の宗教品を装飾品扱いしている点において、日米はオアイコであるらしい。
仏教徒でないアメリカ人が仏像を愛で、キリスト教徒でない日本人が十字架を身につける。そんな世界で心の平安を保つためには、お互い寛容であることが大切だ。私も庭に「ハッピー仏陀」(アメリカで人気の笑顔の仏像)でも置いて、心を静めようかなあ……。