2008年2月20日
ロサンゼルス市で使われている3色のゴミ容器。一番大きい青い容器がリサイクルゴミ用、緑が庭から出るゴミ用、黒が一般ゴミ用
リサイクルゴミ容器の中身。紙、缶、ビン、ビニール袋などリサイクルできるゴミは全部一緒に入れてかまわない
ゴミ出しは男性の仕事と決まっている
黒、青、緑、黒、青、緑……。歩道にずらりと並んだ高さ109センチ、幅56センチ、奥行き66センチのプラスチックケース。正面にはR9B0706048357といった番号が印刷されている。
初めて見たときは何かと思ったが、これらはロサンゼルス市が各家庭に配布しているゴミ容器だ。印刷されている番号は、市が容器を管理するための識別番号。週1回のごみ収集日、住民が歩道に出しておいた容器がゴミ収集車の到着を待つ。
ガガーッ。巨大な収集車が轟音とともにやってきた。運転席の横から延びた鉄の腕が黒の容器をわしづかみにして、空高く持ち上げる。まっ逆さまになった容器からドッと落ちるゴミ。鉄の腕は容器を地上に戻し、収集車は次の家に向かって去っていく……。
ゴミは燃やさずに埋め立てるので、燃えるゴミ、燃えないゴミの区別はない。リサイクルできないゴミはすべて黒の容器に入れることになっている。落ち葉などの庭から出るゴミは緑の容器へ、その他のリサイクルゴミは青の容器に入れる。もう少ししたら緑色と青色の収集車がやってくるはずだ。
渡米当初の私を驚かせたのは、青容器にはリサイクルできるものは何でも一緒にぶち込んでしまってかまわない、ということだ。最終的な分別は処理場で市職員が手作業でやっているらしい。市の方には申し訳ないが、市民にとってこれほど楽なことはない。ゴミを区分けする必要がないのでリサイクル意欲が増し、我が家ではどんな小さな紙の切れ端でも台所に置いたリサイクルゴミ箱に捨てる習慣になっている。しかもリサイクルできるアイテムは毎年増えていて、昨年はビニール袋が追加された。
「紙は新聞、雑誌、その他の紙に分類し、種類ごとに40センチの厚さにして紙ひもで十文字に結んで出してください」、「紙パックは水洗いしてからカッターで切り開き、乾かしてから紙ひもでたばねて出してください」などという規則がある自治体から引っ越してきた私には、この街が天国に思えた。「出すのが簡単だとゴミが増える」と言う人がいるが、そうだろうか。少なくともリサイクルゴミに関しては、出すのは簡単なほど良いのではないだろうか。
一度ロサンゼルス式に慣れてしまったら、日本のゴミ出しの決まりにはついていくのは難しくなる。家の前の道路に毎週整列する謎の三色容器。それが私が結局アメリカに住みついてしまった理由のひとつかもしれない。