2008年2月23日
市場の中のブラシ屋
使い方はこのように
週末になると公園へ散歩に行き、川べりを歩いたり、ベンチに腰掛けて本を読んだり、自然に触れながらゆったりと時間を過ごすドイツの人たち。また少し時間があるときは、山へハイキングやクロスカントリーに出かける。人口100万人を抱える都会にも、あちこちに大きな公園があるのがドイツの町の特徴だ。
そんな自然を愛する意識は、家の中にも見ることができる。どの家にもたくさんの観葉植物が置かれており、ひとり暮らしの若い男性の部屋も例外ではない。すでに8畳の部屋に3つの観葉植物を置いている大学生のパトリックさん(22)は、「まだ足りないと思っているよ、あと2つは欲しいね」と笑う。「緑がないと落ち着かないんだ」。自然志向の国民にとって、部屋の中にも自然は必要不可欠なのだ。
さらに、ドイツ人は概して整理整頓好きだ。オフィスの机の上や家の中は、いつもきれいに秩序よく片付けられている。買い物は何曜日にして、部屋の掃除はいつ、窓ガラス拭きは……とすべてスケジュールを立て、その通りに行動するようにしている。家の中がちらかっていると、計画性のない人、と思われてしまうそうだ。
ある日市場で、そんな国民性ならではのものを見つけた。決まった曜日に立つ市場には、色とりどりの新鮮な食材がそろい、見ているだけでも楽しい。野菜、果物、花、パン、肉、チーズなどの屋台と並んで必ずあるのが、ブラシ屋である。食材と並んでなぜブラシ屋が? と少し奇妙な感覚にとらわれるが、ここでは日ごろの掃除にブラシを使うからだろう。靴磨きのブラシやほうきはもちろん、子ども用爪磨きブラシ、鍋用ブラシ、デキャンタ用ブラシ、野菜洗い用ブラシなど多種多様で、さまざまな太さや長さのものが所狭しと並べられている。
そのなかで目を引いたのが、トングのようなブラシ。柄が二つに分かれていて、その先にそれぞれブラシが付いている。きっと何かを挟むのだろうが、使い道がよくわからない。そこで店のおばさんに聞いてみると、「観葉植物用ブラシ」とのこと。葉を挟むようにしてほこりを取るのだという。たしかに、1枚ずつ葉の表面のほこりを布巾で拭くのは、かなり手間がかかる。これを使えば簡単に、そして手を汚さずに掃除ができるだろう。
アイデア満載の掃除用ブラシ、それぞれをうまく使いこなせるようになるのは、かなり時間がかかりそうだ。