2008年2月27日
建物の入り口にこんな感じでくっついている。
形は色々あって、観察するのもおもしろい。下を向いてのフランス観光もまた一興。
これがおそらく一番オーソドックスな形。
地面から出ているタイプ。これはお城やお屋敷など、古い田舎邸宅の入り口に見られる場合が多く、「都市型」ではない。
パリは美しい。文豪ヘミングウェイだって「青年時代にパリに住んだ経験のある人は幸運だ」と言っている。事実、パリの町並みはどこを切り取っても絵になる。しかし、その町並みに夢中になってカメラを構えながらキョロキョロと上方を見ながら歩いていると、とんでもない憂き目に会う。そう、この国は「お犬さま天国」。そして飼い主は「オトシモノの後始末をする」モラルが著しく欠けている。
「幸運にも」パリに住んだ経験のある人なら恐らく誰でも、犬の糞の上を歩いてしまった経験があるに違いない。ヘミングウェイだってきっと例外ではないはずだ。フランス人にとっては騒ぐほどのことでもないらしく、「左足で踏んだら、幸先良し」とのジンクスまである。だからといって、今から就職試験の面接に行く途中、あるいはようやく予約が取れた人気レストランに向かう途中に「あ、左足だ。パリに住めてラッキー」などと悠長なことを言ってはいられない。
しかし、慌てる必要もない。荘厳なパリの古い建物には、意外と機能的な部分もある。入口付近を観察すると、地面から20センチくらいのところに、鉄の取っ手のようなものがついている。この「取っ手」は、建物に入る前に靴の泥をこそぎ落とすためのもの。パリに限らず、地方都市の古い建物や、お城やお屋敷の入口にも見られる。壁にくっついているタイプと地面から出ているタイプがある。道のほとんどが石畳かアスファルト舗装のパリだが、泥以外にも靴を汚す物はそこかしこに転がっている。
さて、この「お犬さまのオトシもの」。さすがに「国際的観光大国」として恥ずかしいという意識が行政の中にも芽生えて来たのか、2000年あたりから様々な試みがなされている。街角には「私の愛する地域、私は始末します」と書かれた看板とともにビニール袋が設置され、「ワンちゃんのお手洗い」も設けられている。パリ市では罰金制も導入された。しかし、愛犬が「その態勢」に入ると、パリジャンたちはそそくさとひもを外して3メートル先を行く。現場を押さえるのは至難の業である。いまだに取り締まる人の姿を見かけたことはないし、パリの道は相変わらず要注意である。