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ざる? それともかご?

2008年3月12日

  • 筆者 タイ・増成ヒトミ 未確認絶好物体

写真つぼ状のアルミ鍋とフゥアット写真ピータコーン仮面祭りでは帽子として使われる

 賃貸マンションに住んでいた頃は、マンション内に出前を頼める食堂があったり、すぐ近所に屋台街があったりと、自炊をしなくても食事に困ることはなかったのだが、郊外のタウンハウスに越してからは、毎日のようにキッチンに立つようになった。外食しようと思っても、周囲は住宅街で屋台や食堂の数が極端に少ないからだ。

 ひんぱんに料理を作るようになると、買い物に行っても食器やキッチン雑貨を探すことが自然と多くなった。初めの頃は、デパートや大型スーパーのキッチンコーナーを見て回っていたのだが、値段が高かったり、センスがいいと思うものは日本からの輸入品だったりするので、それをわざわざタイで買う気にはなれず、最近は地元の生鮮市場に隣接する荒物屋をのぞくことにしている。店の棚には、タイの一般家庭や屋台で見られるような食器やキッチン雑貨が所狭しと積まれていて、手に取って眺めているだけでも十分楽しめる。

 ふと目に留まった竹製のざる。ざるといっても深さがあって、底が平らではないので、かごのようにも見える。だが、かごとして使うにしても、立たせることができないし、持ち手もない。これはいったい何に、どうやって使うのか。

 このざるは、もち米をふかすときに蒸篭(せいろ)として使われるフゥアットと呼ばれるもの。もち米を主食とする東北地方では、つぼ状のアルミ鍋に湯を沸かし、その鍋にふたをするようにフゥアットを乗せ、洗ったもち米をその中に入れてふかす。ふかし上がったら、これまた竹製の小さなふたつきのかごに入れて供す。おひつに入れたご飯が適度な水分を保つように、竹製のかごに入れたもち米も時間が経ってもしっとりしたままだ。

 実はこのフゥアット、キッチンで使うだけでなく、東北地方の雨ごいのお祭りとして知られるピータコーン仮面祭りにも使われる。フゥアットは帽子に、ココナッツの樹皮が仮面になる。鮮やかな彩色が施されたフゥアットは、キッチンにいるときとはまったく別の表情を見せている。

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