2008年4月16日
一見しただけではどこに冷蔵庫や食器洗い機があるのかわからない。
扉を開けるとキッチン家電が登場。
ゴミ箱はこの通り、隠してしまう。
消費税が25%のスウェーデンでは外食などもってのほか。たとえば友人たちと外で会うときでさえ、ウチで簡単に食事を済ませてからバーをはしごするべく外出する。
ということで、もっぱらホームパーティーが主流。低い人口密度のおかげでごく普通の家庭でも「ウチ」は大きい。一軒家なら一人当たりの専有面積はかなり広く、自宅に友人をわんさか呼んでも余裕だ。
だからスウェーデン人は自宅に情熱を傾ける。趣味としてインテリアを挙げる人が多い。高い税金を避けるため、自分でリフォームや増改築を手がける人が多く、業者に頼む人は少数派だ。
パーティーの要、キッチンのデザインにはうるさい人が多い。自宅のなかでも、特にキッチンとバスルームにお金と時間を費やす。
いわゆるスカンジナビアン・スタイルは日本人には親しみやすい、直線的でシンプルなもの。無駄なデコレーションを極力省き、かつ美しく見せるあたりは、和風の「わび・さび」に通じるところがある。スウェーデンの最近のトレンド「モダン・キッチン」は、リビングルームなのかキッチンなのかわからないぐらい、キッチン特有の器機類を取り去った、超シンプルなデザインになっている。
スウェーデンでは通常、背の高さ以上ある冷凍庫とそれと同じ大きさの冷蔵庫の2台がかなりの場所を占めるものであるが、これを外からみただけでは他の棚と判別がつかないようにカモフラージュする。また、同じようにほとんどの家庭に常備されている大きな食器洗い機やオーブン、または電子レンジも隠しこむ。そしてダイニングルームやリビングルームとの境にある壁を取り払い、カウンターバーやアイランドとして、大きな空間にドンとキッチンを持ち出す。
料理用具を壁にぶら下げたり、ゴミ箱を床に置いたりすることはできないので、これらを流しの下や引き出しに収納することになる。
しかし、これだけ立派なキッチンも普段はほとんど使われない。共働き家庭がほとんどのスウェーデンでは、ウィークデーの夜の食事はとにかく簡単に済ましてしまう。パンにバターを塗ってチーズやハム、野菜をのせて、はい、おしまい。そんな料理をするのにこんな素晴らしいキッチンは……。やっぱり、いらないよなあ。