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すべては白アスパラガスのため

2008年6月7日

  • 筆者 ドイツ・田口理穂 きちんとキッチン

写真山積みのアスパラガス写真典型的な料理例。カツとジャガイモを添えて

 5、6月は白アスパラガスの季節である。ドイツ人は白アスパラガスが大好き。この季節になると、こぞってレストランのメニューにのぼり、八百屋でも新鮮な白アスパラガスが山盛りされ、食欲をそそる。期間限定だから、みなわれ先にと買いに走る。世間話で「もう食べた?」と必ず話題にのぼる。朝市で知り合いのドイツ人にあったら、夫婦二人暮しなのに週末用にと5キロも購入していた。

 アスパラガスは太くぽってりとし、白ければ白いほどよい。緑は邪道だとドイツでは考えられている。スペイン産など国外からも入ってくるが、ドイツ産が一番人気で、値段も高い。切り口を押してみて、水分が出てくれば新鮮な証拠である。

 食べ方はもっぱらゆでて、イモや肉または魚と一緒にいただくというシンプルなもの。ただし、単なるつけあわせではない。メーンは肉や魚ではなく、白アスパラガスである。レストランでもそう。肉は引き立て役にすぎない。卵黄、バター、レモン汁などでつくられたオランダ風ソースか溶かしバターをかけて、白アスパラガスのしゃきしゃき、かつとろけそうな感触を楽しむのが、この季節のごちそうなのだ。

 街では、白アスパラガス専用のゆで鍋やザルが売られている。普通の大きな鍋でゆでればいいものを、と素人は思うのだが、通にはアスパラがすっぽりおさまる縦長の鍋がいいらしい。ゆでるときに折れにくいという。

 ザルももちろん縦長。網目が少し荒く、ゆであがったアスパラガスをすばやく水切りできる。蒸し用の鍋は横広がりで、たっぷり入るから来客があるときに重宝する。ゆであがりに水分でふやけてしまわないよう底部が二重構造になっている大皿や、量が一目でわかるガラス製容器、ソースパンも専用のものが売られている。アスパラガスを取り出すはさみは微妙なカーブがついていて、使いやすい。アスパラガスをモチーフにした紙ナプキンやテーブルクロスも人気である。

 白アスパラガス=ご馳走、という図式ができあがっているドイツでは、白アスパラガスときくとこだわらずにはいられないらしい。年に数回しか使わない鍋やクロスは、ぴかぴかのまま普段は棚で眠っている。不必要なところに凝るところが、まったくもってドイツ人らしい。

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