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トルコのキッチンはハーブとスパイスの香り

2008年6月14日

  • 筆者 トルコ・大矢ちはる きちんとキッチン

写真ハーブティーもガラスのカップで。写真スパイスラック付トルコの台所。写真トルコの人気料理マントゥ。スパイスを振って食べる。

 トルコ料理には様々なスパイスが使われている。魚料理にはローリエ(月桂樹の葉)、肉のグリルにはタイム、ミートボールには専用のミックススパイスを入れて調理し、スープにはミントやスマック(うるし科の植物から取れ、赤しそのような風味)をふりかける。

 トルコの代表的な家庭料理「マントゥ」(トルコ風ラビオリ)には、ミントや赤唐辛子をふり、デザートのプディング類にはシナモン、レストランで食後にウエットティッシュと一緒にテーブルに供されるのはカーネーションの花芯を乾燥させたものだ(噛んで食べ物の匂いを消すためのもの) 。

 また、ハーブは、病気の時の強い味方である。風邪を引いてのどが痛い時はリンデンティー(菩提樹の葉)、消化不良にはセージティー(サルビアの葉)を飲む。ビタミンC補給のためには、ローズヒップティーも昔から飲まれている。

 キッチンには、その家の主婦の好みによって、いろいろなスパイス入れが見られるが、ひんぱんにスパイスを使うトルコのキッチンでは、陶器のものよりも中身が見えるガラスやプラスチック製の方が使い勝手がいい。スパイスやハーブがたくさんあるトルコのキッチンでは、戸棚の下に最初から備え付けの専用スペースがあることが多い。調味料とスパイスはここに置かれる。

 ミントや赤唐辛子をふって食べる「マントゥ」は、トルコ人の好物料理トップ3に入ると思われるポピュラーな食べ物だが、どこかで聞いたことがあると気づかれた方はいるだろうか。そう、中国の饅頭(マントウ)である。現在の中国でマントウといえば、なかに餡(あん)も具も入っていない一種の蒸しパンだが、名前もほぼそのままにトルコにわたり、「マントゥ」になった。

 トルコの一般家庭では、小麦粉と水を練って作った生地を小さく切って、ひき肉を詰めたものをぐらぐら煮立った熱湯でゆでる。かき混ぜてとろとろになったプレーンヨーグルト(お好みですりおろしたニンニクを入れる)をゆであがった「マントゥ」の上にかける。小なべで油、トマトピューレ、赤唐辛子を入れて煮立たしたソースをさらにこの上にかけると出来上がり。めいめいが大皿から自分の皿にとりわけ、ミントや赤唐辛子を上にかけて食べる。

 おかわり自由のこの「マントゥ」は、老若男女を問わず愛され、トルコ人家庭の人気料理。日本の団らんといえば鍋を囲むことを思い浮かべるが、トルコ式では「マントゥ」を囲むのだ。最近は、手間がかかるこの料理を家で手作りする主婦が少なく、スーパーで売っている冷凍物や乾燥物をゆでて作る家庭も多くなった。手作り「マントゥ」は、おふくろの味ではなくおばあちゃんの味となりつつある。

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