2008年9月2日
家庭に設置された雨水タンク。庭や家庭菜園の散水、洗車などアウトドアだけで利用する人、配管工事もしてトイレやシャワー用にも使う人、さらには飲み水にもする人など用途はさまざま
パイプを設置して雨どいの水を集める雨水タンク
地元の新聞社のキャンペーンで無料配布されたシャワー用砂時計。4分計で、それ以内に終えるのが理想とのこと。強化プラスティック製なので、タイルに落ちても壊れない
天然水の20リットル入りボトル。現在はキャンプに行く人が主な購入者だが、今後は家庭で使われることも増えそう
今回からのテーマは「笑える話・困った話」。世界から集まる様々なエピソードに笑ったり、一緒に悩んだりしていただければ幸いだ。
オーストラリアのブリスベンでは、今、水不足が深刻化している。この夏(2007年12月から08年2月)に少しまとまった雨が降ったおかげで、ダムの貯水量は40パーセントにまで回復したが、かつては17パーセントにまで落ち込んでいた。当時「このまままったく雨が降らなければ、一年後か二年後にはダムの水がまったくなくなる」と言われていた。
私のアマチュアサッカー仲間のクレイグは一日何度も、天気予報のウェブサイトの天気図をチェックしているそうだ。「雨の可能性あり」なら、お祈りをする。「雨雲の動き」をチェックして、ブリスベンにやってきそうものなら、念を送る。不幸にして雨雲のコースがずれれば、パソコンにむかってののしる。そんな一喜一憂を繰り返す。
「ただ、試合のある金曜日の夜だけは、やっぱり雨が降ってほしくないじゃない? でも世の中のためには雨のほうがいいわけで、自分の利益と公共の福祉との板挟みで悩むんだよねえ」
自家用車通勤のクレイグの悩みは試合のある金曜日限定だが、電車通勤のマークはそうはいかない。
「専業主婦の妻なんて雨が降ると大喜びなんだけど、そんな中、とぼとぼ歩いて通勤するほうの身にもなってほしいよ」
降ってほしいが降られても困る。揺れ動く男心なのである。
さて、行政のほうも当然、手をこまねいているだけではなく、市民に水の使用量削減を呼びかけるだけでなく、水の量を増やす方法もいろいろ考えている。たとえば、オーストラリア北部の多雨林地帯からパイプラインで水を引いてくるとか、同じく雨の多いインドネシアあたりからタンカーで水を輸入するとか。だが、未知の微生物が人々に遭遇して疫病をもたらす可能性が指摘されたり、コストがかかり過ぎるという問題があったりで、どちらの案もあっけなく水に流された。家庭で雨水タンクを設置すれば、州政府と市役所から合計で10万円ほどの援助金を出すというキャンペーンも行われたが、屋根に降った雨を集めるくらいではやっぱり足りない。
そこで、苦肉の策として出されたのが、「水のリサイクル」。下水を化学的かつ生物学的に数段階の過程を通して処理した後、水がめであるダムに戻して、上水として利用するというのだ。「工業排水や病院から出る汚水は使わないから安全」とか、「世界のいくつかの都市ではすでに実用化されている」と行政は説明するが、うーん。ある調査によると、7割の人が「リサイクル水を飲む」と答えているそうだが、個人的にはなかなか飲む気にはなれない。
あなたはリサイクル水、飲めますか。