現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 住まい
  4. 世界のウチ
  5. 記事

空間作りに意識変革をもたらしたピザパーティー

2009年6月13日

  • 筆者 アルゼンチン・大田朋子 わが家のChange

写真これぞトム手作りのピザ焼き石窯!写真「中はこんな風になっているのかー」写真ピザを窯にいれる瞬間。ドキドキ!写真ピザに色々なものを鉄板に置いて焼いた私たち風「お好み焼き」

 この春、私たちは新しいマンションに引っ越した。白い壁に高い天井、広々としたリビングにはたくさんの光が入る大きな窓がある。「毎日の生活に心地よく寄り添ってくれるようないい空間をつくろうね」なんて話をしていた。空間づくりの一環として、家具の配置に注意をはらおうと、前段階でそれぞれの生活スタイルのビジョンを出し合った。そのなかで「友人を招きやすい家がいい」というコンセプトが固まった。

 せっかく空間演出が思いっきり楽しめるところに引っ越してきたのだから、おいしい料理を作って気心の知れた仲間たちといい時間を過ごせるこの土壌を生かさない手はない。「皆が集まったとき、ワインとおつまみを片手に団らんしやすいように、オープンキッチンにつなげてソファを置こうか」などとおのずと家具の配置が決まってきた。

 そんな時に出会ったのがトム。彼の生活を豊かにする着想に私は大きな刺激を受けた。トムは、アルゼンチンをサイクリングで旅しようとニュージーランドから降り立ったばかり。しかし、到着してまもなく、借りている家の庭に「オーブンを作った」というのである。「ホームメイドのピザパーティーをするから来ないか?」とのお誘いを受けた。

 ピザ生地やトッピングを手作りするのなら経験はある。けれど、彼は「ピザを焼く石窯」を自分で作ったのだ。「こうやってレンガを組み立てていくとアーチができるから……」とピザ窯造りの工程を聞く。アーチのカーブによってパン焼きに適していたりピザ焼きに適していたりと微妙な差がでるそうだ。「アルゼンチン人の食事はとくにイタリアンが多いから、イタリア料理の代表選手であるピザ専門の窯作りに決めた」という。

 おいしいものを作って仲間たちといい時間を過ごしたいという気持ちは、どこの国でも同じだ。それを心地よく演出できる空間を作りたいと取り組んでいた私たちにとって、トムの「手作りの窯」は根本的な意識改革をもたらした。手作りは手作りでもそんなところから手をかけるのか、と。大切な人たちとの時間を気持ちよく過ごす空間作りの創意工夫は、人を思いやる気持ちでこんなにも膨らむのだと胸が熱くなった瞬間だった。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

提携サイトで探す

  • 全国の売買物件をお探しの方
  • 全国の賃貸物件をお探しの方
  • 不動産を売却したい方
  • 不動産会社をお探しの方