2009年10月17日
様々な色や模様の石見本から、お気に入りを探す。
職人が一枚一枚丁寧に磨きをかけることで、美しい艶が出てくる天然石。
さて今日は何を作ろうか?キッチンが使いやすいと、料理の腕も上がる?!
こちらは優しいベージュで統一。水垢も目立たず、掃除もしやすい。
我が家を手にいれた時に叶えたいと思った「夢」、それは内装に大理石や御影石などの天然石を使うことだった。リマにあるタイル屋の店先には、美しい天然石のサンプルも一緒に並べられているし、大理石屋では、猫足の重厚なテーブルからギリシャ風の女神像まで、あらゆるものを比較的簡単にオーダーすることができる。我が家はシンプルでナチュラルな内装をテーマにしていたので、さすがにロココ調の大理石のテーブルなど置くつもりはなかったが、それでもキッチンカウンターとプライベート用の洗面所だけは、天然石にこだわることにした。
ペルーでカウンタートップに使われる一般的な素材は、メラミーネと呼ばれる撥水加工を施した合板だ。取り扱いも楽だし価格も安いが、長年使っていると水分で歪んでしまうし、鍋やフライパンなど熱いものを直接置くことができない。そこで水にも熱にも強い天然石、しかも大理石より固い御影石が見た目にも機能的にもいいだろうということになったのだ。主婦の城であるキッチンで、自分の「夢」が叶えられるとはなんと幸せなことだろうか。
大理石屋に行くと、黒、白、赤、茶、グレーなど様々な色や模様の天然石があった。当初は「ジンバブエネグロ」と呼ばれる黒くて美しい御影石を希望したが、この色は人気が高く、次の入荷は数カ月待ちとのこと。次に気に入ったのは「ブラジルベルデ」。ベルデ=グリーンという名の通り、ベースの黒に雲母の粒がきらきらと美しく入り、うっすらと緑がかった石だ。L字型カウンタートップ2か所という我が夢の実現価格は、石の加工・取り付けを含めて約12万円。そして現在、このカウンタートップの上でピザを作ったり、熱いオーブンの天板を直に置いたりと、大いに利用させてもらっている。
洗面所には、ペルー産のベージュの大理石を使った。冬場の湿度が高いリマでは、洗面台の下に収納棚を作っても、カビがすぐ生え嫌な臭いが発生しやすい。ただでさえバスルームは湿気が籠るのだからとあえて棚は作らず、壁に直付けの洗面台にしてもらった。プライベート用なので、タオルやトイレットペーパーがむき出しでも気にならないし、それに床の掃除がしやすいところが気に入っている。こちらの夢の実現価格はなんと約1万2000円。蛇口や配管工事は別料金だが、こちらも我が家自慢の洗面所となった。
ちなみに御影石は、加工後700年を経て初めて風化が始まると言われ、一生つきあえる調度品だ。大切に使えば、何世代にも渡って引き継いでいけるかもしれない。お手頃価格で末永く続く夢。これはなかなか理想的ではないか。