現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 住まい
  4. 世界のウチ
  5. 記事

煙はどこへ

2010年2月27日

  • 筆者 ペルー・原田慶子 家具いろいろ、家電あれこれ

写真リマの一般的なガスコンロとカンパーナ写真まるでコバンザメのように吊り戸棚に張りついている写真屋外ではなく、キッチンに煙を吐き戻す不思議な仕組み

 ペルーのキッチン家電で驚いたのは、換気扇だと思っていたものが実は違っていたことだ。換気扇というと、壁に取り付ける昔ながらのプロペラファンやレンジフードのように、室内の煙を屋外に排気し、空気を入れ替えるものだと思っていた。が、ペルーのそれは換気扇ではなく、言うなれば吸油扇とでもいうものだった。

 ペルーでカンパーナと呼ばれるこの家電は、ガスコンロの上に位置し調理中に使用するというところまでは、日本のレンジフードと同じだ。違いは屋外に抜ける排気ダクトがなく、換気機能がないこと。つまりカンパーナは吊り戸棚の底にネジで直付けしてあるだけで、屋外にはつながっていないのだ。スイッチを入れるとファンが回り、カンパーナ内部のフィルターが調理中に立ち昇った湯気に含まれる油分などを吸着するが、煙はフィルターを通り抜け、またキッチンに吐き出される。

 ちなみにキッチンの換気は普通に窓を開けるだけ。食事時になるとどこからかニンニクや香辛料のにおいが漂ってくるのは、各家庭が調理中一斉に窓を開けるからだろう。もちろんカンパーナも使われてはいるだろうが、それはあくまでも空中に散った油分をフィルターに吸着させるためだ。気密性の高い日本の住宅とは違い、窓を閉めていてもどこからかすき間風が入ってくるような造りが多いので、これで間に合うのかも知れない。

 リマに住んでいた日本人男性が、以前自宅アパートでサンマの塩焼きをした時のこと。ジュウジュウと脂を滴らせながらほどよい具合に焼けていくサンマ。しかし焼き網から落ちる脂で、キッチン中が煙だらけになってしまった。もちろんカンパーナは作動していたが煙が消える様子もない。仕方なく窓を開け換気をしていたところ、ウーウーと鳴り響くサイレンと共に、消防車がやってきたという。

 あまりの煙に、火事と勘違いした近隣住民が消防署に通報してしまったのだそうだが、魚好きとしては笑うに笑えない話である。私も構造を理解するまでカンパーナは換気扇だと信じていて、どうして煙やにおいが消えないのだろうと不思議に思いつつ魚を焼いていたのだから。

検索フォーム
キーワード:

世界のウチ バックナンバー


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介

提携サイトで探す

  • 全国の売買物件をお探しの方アットホームスーモ
  • 全国の賃貸物件をお探しの方アットホームスーモ
  • 不動産会社をお探しの方アットホームスーモ

あなたの希望に沿った不動産情報・マンション情報を検索!

カテゴリ
都道府県

あなたの希望に沿った不動産情報・マンション情報を検索!