現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 住まい
  4. 世界のウチ
  5. 記事

優れた交通網が招く通勤地獄?

2010年5月1日

  • 筆者 スイス・小島瑞生 通勤・通学ランランラン!

写真ある地方都市の駅ホーム内にて。スイスの朝は早く、特に地方発の駅では、ラッシュアワーが朝5時半〜7時半というところもある。その時間帯を過ぎると、ホームは再び落ち着きを取り戻す写真通勤・通学しやすい駅の近くでは、マンションの建設ラッシュが続く

 朝夕のラッシュアワーにすし詰めの列車……。これは何も日本だけの風景というわけではないようだ。

 ここスイスでも朝になると、出勤のため多くの人々が満員の電車やバス、トラムに揺られて出かけてゆく。一般的にヨーロッパの交通事情は、日本に比べて時間通りに来ないとか、本数が少ない、はたまた頻繁にストライキが起きるなど色々困った話を聞くことが少なくない。だがスイスの公共交通機関は、列車のダイヤの正確さや乗り継ぎのスムーズさ、充実した通勤・通学用定期券など、ヨーロッパでも一、二位を争うほどサービスが優れていると言われている。

 しかし、それゆえ利用客が必然的に多くなり、その結果地方都市からぎゅうぎゅう詰めの列車で、チューリヒやジュネーブといった主要都市まで、片道1〜2時間近くかけて通勤する者は珍しくないのである。

 いっそ会社や学校の近くに引っ越してしまえばいいのでは?などと考えがちだが、大きな都市に住もうとすれば、家賃が地方都市に比べてべらぼうに高くついてしまうのが常だ。また、スイスでの賃貸は契約などの取り決めがかなり複雑で、時間がかかることも多く、気軽に引っ越すことも容易ではない。

 ちなみに、私の周りの知人たちの通勤状況を少しご紹介してみると、まず知人のジョージは、自宅から車で5分ほどの会社に勤めているものの、彼の妻は列車で1時間以上かかる街にあるホテルで働いているため、毎朝7時前には車で彼女を中央駅まで送っていかねばならない。

 また、友人のアレクサンドラは「毎日電車の中で何時間も座れないのはイヤ!」と車で近隣州から通勤していたが、渋滞や冬の雪道を運転する大変さにうんざりして、思い切って会社の近くに引っ越すことにした。だが、新築で家賃の高いマンションしか見つからず、20万円ほどの家賃を毎月一人で払う羽目になった。このように、みんなそれぞれに通勤に関しては、なかなか苦労していることも多いようだ。

 我が家は幸い、通勤も通学も車で10分ほどの距離であるため、恵まれている方だろう。通勤・通学が楽であることの欠点を強いて挙げるとするならば、いまだにこの国の列車やバスに乗り慣れず、スイス在住者とはとても思えないほど、この国の公共交通機関に関する知識がお粗末である、ということぐらいか。

検索フォーム

世界のウチ バックナンバー


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介

提携サイトで探す

  • 全国の売買物件をお探しの方アットホームスーモ
  • 全国の賃貸物件をお探しの方アットホームスーモ
  • 不動産会社をお探しの方アットホームスーモ

あなたの希望に沿った不動産情報・マンション情報を検索!

カテゴリ
都道府県

あなたの希望に沿った不動産情報・マンション情報を検索!