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付添人も予算で変わります!?

2010年7月24日

  • 筆者 ペルー・原田慶子 住宅展示場・モデルルームへ行こう!

写真床面積328平方メートル、4寝室+応接間+家族用リビング+5洗面所+キッチン+メード部屋というモデルルーム写真広すぎて画像に収まりきらなかったキッチン。カウンタートップはもちろん御影石写真クイーンサイズのベッドが小さく見えてしまう主寝室。まるでホテルのようだ写真こちら子供部屋ではなくメード部屋。ここに住むならメードは最低2人必要ということなのだろう

 ペルーでは日本のような住宅見本市はあまり一般的ではない。もちろん、どのアパート(日本でいう「マンション」)も見学希望者に部屋を公開してはいるが、個人オーナーや小規模な業者による総戸数10戸前後のアパートが多く、見本のためだけにわざわざ調度品をそろえる余裕などないのだろう。

 また、誰もいない部屋に家具や家電を放置しておくと、ペルーでは盗難の憂き目にあうこともしばしば。したがってペルーでモデルルームを見学したければ、大規模な集合住宅を販売する大手業者に狙いを定め、その有無を調べるところから始めなければならない。

 リマで一、二位を争う大手ディベロッパーのウェブサイトを見てみると、モデルルームを公開している物件があった。各戸の床面積は224〜328平方メートル、販売価格は表示されていないが、住所から高級住宅街の一角にあり富裕層向けであることは明らかである。そのため、こちらもいつもより着飾って現地に向かった。

 案内されたモデルルーム兼販売オフィスのドアを開けると、スーツ姿の男性がにこやかに迎え入れてくれた。しかし丁重なあいさつの後、彼が最初に質問してきたのはこちらの予算だった。まだアパートの説明を何も受けていないのに性急な人だと思ったが、彼にとって重要なのは、金のある客かどうかなのだろう。私は少し考えて、「25万ドルくらい?」と言ってみた。月額最低給与が200米ドル(約1万8000円)ほどの国で、この金額がいかに高額かはお分かりいただけると思う。しかし、彼は手元のパソコンに「$37万8000」と入力し、ほほえんだままその画面を私に向けた。どうやら私は、彼の顧客リストに入り損ねたようである。

 しかし、さすが大手ディベロッパーの営業マン。リマ市内にある他のプロジェクトをあれこれと紹介してくれた。「このアパートなら133平方メートルで19万ドルです。来年3月完成予定ですが、いかがですか?」「こちらは116平方メートルで20万ドルほど、40平方メートルの庭付きでお得です」。そして「他の物件を見学したくなったら、いつでもお電話ください」と名刺をくれたが、そこで話が終わりそうな気配だ。

 慌てて肝心のモデルルーム見学を願い出たが、彼は「どうぞ、どうぞご自由に」とは応えてくれたものの、立ち上がる素振りさえ見せなかった。37万ドルが払えない客だからだろうが、なんとも正直な対応である。仕方なく私は1人で部屋を見て回ることにした。

 「豪華」をコンセプトにした高級分譲アパートだけあって、そのモデルルームはさすがに素晴らしい内装で飾り付けられていた。暮らしがイメージしやすいよう様々な小物も配置されており、日本のそれとなんら見劣りしない。しかし私の後ろをついて回ったのは、営業マンではなく銃を持った警備員だった。調度品の盗難防止目的であろうが、日本とペルーのモデルルームに異なる点があるとすれば、間違いなくこの物騒な付添人だろう。

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