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ニンニクの香りは満腹の証し

2010年7月31日

  • 筆者 ペルー・原田慶子 世界のウチめし

写真ハーブやチーズのソース作りに大活躍のミキサーは、ペルー人家庭の必需品写真ニンニクたっぷり!写真クラントロとホウレン草の緑が鮮やかだ写真前菜のサラダと一緒にいただきます

 スペイン文化の影響だろう、ペルー人にとって一日で最も大切な食事は昼食だ。ペルーのランチタイムは午後1時以降と遅く、就学中の子供たちも自宅に戻ってから食べるのが一般的。忙しいビジネスマンはどうしても外食か手弁当になってしまうが、知人のご主人のように、どんなに仕事が忙しくてもランチは必ず家でというツワモノもいる。

 昼過ぎになると、ニンニクをいためた時のなんとも言えぬ香ばしいにおいがどこからともなく漂ってくる。また唐辛子やハーブのソースを作る際の、低く鈍いミキサーの音も聞こえてくる。ニンニク、唐辛子、そしてハーブ。これらペルー料理における三種の神器を駆使して、しっかりたっぷり食事を作る。決してインスタントラーメンでお茶を濁すようなことはしないのだ。

 さてこの日の「ウチ飯」は「アロス・コン・ポジョ」。ペルーの定番料理の一つで、鶏肉を使った炊き込みご飯だ。クラントロ(コリアンダー)のソースで炊き上げるこの料理は、鮮やかな緑色が特徴。しかし、クラントロは別名「香菜」とも呼ばれるほど独特の芳香を放つハーブ。クラントロ好きにとってはこの香りがたまらないのだろうが、好みが分かれるところだ。

 しかし「ウチ飯」なら、好みに応じてハーブの量を加減したり、他の野菜と混ぜ合わたりすることも自由だ。我が家ではクラントロにホウレン草を混ぜて作っている。ホウレン草を入れることで味もまろやかになるし、栄養面もぐっとよくなる。何よりこの料理に欠かせない鮮やかな緑色を損なうことがない。

 作り方は簡単だ。まずクラントロとホウレン草を少量の水と共にミキサーにかけ、緑色のソースを作っておく。次に刻んだニンニクと塩コショウした鶏肉を一緒にいため、表面を焼き付けておく。空気をかき混ぜる程度にしか働かないペルー式換気扇のお陰で、食欲をそそる香りが家中に広がっていく。鶏肉をいったん取り出し、同じ鍋でタマネギとオレンジ色をしたペルーの唐辛子のみじん切りをいためる。ここでターメリックを少量入れてもおいしい。タマネギに火が通ったら先ほど作っておいたソースと鶏肉を戻し、しばらく煮込む。刻んだパプリカやグリーンピースを入れ、チキンブイヨンと塩コショウで味を調え、お米と水を入れて炊き上げる。もちろん、炊飯器で炊いてもいい。

 さあ炊き上がった!日本的基準でだいたい二人前のご飯をたっぷりよそうのがペルー流。明らかに多すぎる量なのだが、家というくつろいだ空間で食べると、なぜかすべて胃に収入ってしまうから恐ろしい。

 午後、吹き抜けの窓を開けると、ニンニクをいためるいい香りが今日も我が家にまで漂ってきた。「そんなにニンニクを食べて、食後の『におい』は大丈夫なのか?」と心配されるかもしれないが、ニンニクによく火を通すことと消臭効果のあるハーブを多用するため、それほど口臭は気にならない。いや、みんなが食べるから気づかないだけだろうか?そんなことを考えながら、今日もニンニクをたっぷり刻む私だった。

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