現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 住まい
  4. 世界のウチ
  5. 記事

こだわりの朝食はビールつき

2010年8月21日

  • 筆者 ドイツ・島田ライコ 世界のウチめし

写真・バイエルン名物の白ビールと白ソーセージ:バイエルン名物の白ビールと白ソーセージバイエルン名物の白ビールと白ソーセージ

 ソーセージ、塩つきパン「ブレーツェル」、それにビール。この3点セットが、ドイツ南部バイエルン州の伝統的な朝食だ。土曜日の朝になれば、友だちやら親類やらが集まって、みんなでこの名物ごはんを囲むのがバイエルンの慣習の一つとなっている。

 朝からビールを飲むとは、いかにもバイエルン人らしい。もちろん朝だからといって、ビールの量を減らすなんてやぼなことはしない。いつも通り500ミリリットル。ビールも小麦からつくられた酸味のきいたバイエルン名物「白ビール」と決まっている。

 もう一つ、忘れてならないのがソーセージ。こちらも普通のソーセージではなく、薫製しないため、できあがりが真っ白なミュンヘン名物「白ソーセージ(ヴァイスヴルスト)」。長さ約12センチ、直径約3センチという“ずんぐりむっくり”のソーセージで、昔は冷蔵の技術がなかったために午前中までに食べなければならなかった。そんな理由から朝ごはんの主役に選ばれたようだ。白ソーセージは、お湯で温めて、そのお湯に漬けたまま食卓に出される。

 食べ方にも決まりがあり、まずは皮をむき、ミュンヘン名物「甘い粒マスタード」をつける。ナイフとフォークを使って皮をむく人もいれば、ソーセージをそのまま口へ持っていき中身を吸って食べる人も。この“吸う”技術をマスターできれば、本物のバイエルン人だとか。温めるだけの簡単調理法のため、「休息したい」主婦が簡単に準備できるという意味で、土曜日の朝に食べるようになったという説もある。

 「みずみずしい白ソーセージに合わせて、ちょっと塩辛いブレーツェル、それに絶妙にマッチする白ビールが選ばれたのでは」と話すのは、バイエルン州農林水産省のクラウディア・グレーバーさん。

 この「バイエルン風朝食」は、社員食堂や学食にも用意されている。会社の午前会議やイベント、大学の入学式、同窓会などの定番メニューだからだ。伝統的な会社では、午前10時頃に「ブロートツァイト」という休憩をとるが、その際にこの朝食を食べる人が多い。大学生も、ちょっと小腹がすいたときにこのセットを注文する。言わずもがな、ドイツ人にとってビールはアルコールではない。職種にもよるが、仕事中にビールを飲むのは決して“禁止”事項ではないのだ。

 「白ソーセージ、ブレーツェル、白ビールは、どれもバイエルンが生み出した郷土名産品。一つでも欠けたらおいしさは半減」と、生粋のバイエルン人セバスチャン・ヨーゼフさん(22)は、郷土の朝食に胸を張る。

 温かいゆでたソーセージに、甘いマスタードのアクセント。それをちょっと酸味のきいた白ビールで、わいわいとおしゃべりしながら流し込む。旅行者もこの朝食をバイエルンの伝統的なカフェやレストラン、ホテルで注文できるが、ちょっとご注意を。いまだに伝統を守り、昼を過ぎれば注文できなくなる店も多い。こだわりが育てた名物朝食を、少し早起きしてぜひお召し上がりあれ。

検索フォーム

世界のウチ バックナンバー


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介

提携サイトで探す

  • 全国の売買物件をお探しの方アットホームスーモ
  • 全国の賃貸物件をお探しの方アットホームスーモ
  • 不動産会社をお探しの方アットホームスーモ

あなたの希望に沿った不動産情報・マンション情報を検索!

カテゴリ
都道府県

あなたの希望に沿った不動産情報・マンション情報を検索!