2011年9月28日
子どもを外で思いっきり遊ばせてやりたいと思うのは、いずこの親も同じこと。しかし誘拐や交通事故の危険性を考えると、子どもだけの外出を許可するのは何かと難しい。特にリマは地域によって治安に大きな問題があり、学校の送迎も必ず大人が付き添う。小さいうちならベビーシッターやメードが近所の公園に連れて行ってくれるが、それもある程度の年齢まで。彼女たちがサッカーや駆けっこで走り回る遊び盛りの子どもの後を追うのは容易ではなく、また子どもたちも大人の監視下で遊ぶのは面白くない。どうやったら子どもを安全かつ自由に遊ばせてやれるかという問題は、親にとって常に頭痛の種である。
そこで人気なのがコンドミニオと呼ばれるタイプの住宅だ。塀や柵で囲まれた敷地内に複数の戸建てやアパートが建てられており、共有スペースには住人専用の公園やちょっとした遊戯施設が設けられている。門番が24時間常勤するため防犯対策も万全。子を持つ親にとって、コンドミニオは理想的な子育て環境と言えよう。
友人の住むコンドミニオは広大な敷地に何棟ものアパートが建ち、よく手入れされた芝があちこちに敷かれている。幼児用の公園やバスケットボールやサッカーの練習ができる小さなコートもあり、いつも子どもたちの笑い声が響いている。150世帯以上が暮らす大規模コンドミニオのため子どもの数自体も多く、同年代の遊び友達を見つけるのもたやすい。門番はみな勤めが長く、住人の顔や部屋番号もきちんと覚えているし、子どもたちをよく見守ってくれるから安心なのだと友人は言っていた。
また最近は様々な施設を整えた大規模マンションも増えている。別の友人が住む高層マンションは、キッズルームやウオータースライダー付きの本格的なプールが併設されている。安全かつ無料のプールは、子どもの有り余るパワーを発散させるにはもってこいだ。下校時間が過ぎると芋の子を洗うような状態になってしまうが、子どもというのは水と戯れるだけでも楽しいのでそんなことはお構いなしだ。
週末、コンドミニオに住む友人宅を訪ねた。気の置けない友人との会話はとまるところを知らないが、大人のおしゃべりに参加したい子どもたちのせいでどうしても話が途切れてしまう。そんな時は一言こう言えばいい。「外で遊んでいらっしゃい!」
ここは安全なコンドミニオだ。サッカーボールやスケートボードを持って走り出す子どもたちを安心して見送れる環境は、親にもしばしくつろぎの時間を与えてくれる理想的なものであった。