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「世界のウチ」

ナメたらアカンで自家製酒

2011年11月12日

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写真:ストレートで飲むロキシーには、ピリ辛のつまみがよくあう拡大ストレートで飲むロキシーには、ピリ辛のつまみがよくあう

写真:ロキシーのたね。泡が浮かんできて、発酵が進んでいる拡大ロキシーのたね。泡が浮かんできて、発酵が進んでいる

写真:見た目はカルピス?!ネパール風どぶろくだ拡大見た目はカルピス?!ネパール風どぶろくだ

 古くからカトマンズ盆地に住むネワール族。ネパールに数ある民族の中でもお酒好きの民族として知られ、こうじ酒や蒸留酒造りが日々の生活の一部として受け継がれている。これらは自家製が一般的で、材料や分量のレシピは家庭によって様々。酒造りのうまい嫁をもらうと、評判になるほどだ。それぞれの家に伝わるレシピは、嫁にも受け継がれてその家の味が作り出される。

 もっとも手軽で身近なのは「チャン」と呼ばれるこうじ酒。蒸した(または炊いた)米や麦に米こうじを混ぜて1〜2晩発酵させ、そのまま夏季は1週間ほど、冬季には2週間ほど寝かせると、ほんのり酒気をおびた酒になる。飲んだ感じではビールくらいの度数はあるだろう。見た目は乳白色でとろみがあり、酸味と甘みが微妙に混ざったすっきりとした飲み口だ。前日の残り物は食べない習慣があるので、ご飯があまったときには大体チャンになってしまう。チャンは畑仕事の合間にも水代わりに飲まれ、農繁期には大きなつぼにチャンを用意し、飲み、作業に精を出す光景が見られる。また、日本の卵酒のような感覚で、ちょっと風邪をひいたり体調が悪い時には、子供にも薬として飲ませることもあるそうだ。

 祭りや結婚式などのイベントには、「ロキシー」という蒸留酒が振る舞われる。はっきりとした度数はわからないが、火がつくほどなので、かなりの度数だろう。シコクビエや米、干し米、黒砂糖や果物など様々なものを米こうじ、麦こうじなどで3〜4週間ほど発酵させ、蒸留して造られる。蒸留には相当な時間がかかり、5リットルほど造るにも3〜4時間かかる重労働だ。むせ返るような熱気に、ほんのりと甘いロキシーの香りが部屋中に広がり、ロキシー造りは見ていても楽しい。果物を使ったものは甘くて香りもよく、私もお気に入りだ。

 自家製のチャンやロキシーをちびりちびりとなめながらいただくネワール料理もまたうまい。お酒に合う濃い味付けで、にんにくやしょうが、チリ、それから様々なスパイスをたっぷりと使った豆や肉料理は、どこの家庭でいただいても最高に美味だ。干し肉も自家製で、家の前にぶら下げられている。

 先日、ネワールの友人宅へ遊びに行った際に、チャンの造り方を教わった。やってみると意外にも自分にも造れるではないか。ネパールでは自家製酒は、販売は違法だが自分で楽しむ分にはいくら造っても問題ない。チャンを仕込んだ容器を眺めては香りをチェックし、飲み頃をうかがうのが最近の楽しみだ。

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