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2012年3月7日
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「世界のウチ」

竹が支える土の家

〈災害に対する家づくり〉 ペルー・原田慶子

写真:天日干しされるアドベれんが拡大天日干しされるアドベれんが

写真:2007年の震災から1年半後のイカ市内の様子。屋根や広場を囲んでいたアーチは崩れたままだった拡大2007年の震災から1年半後のイカ市内の様子。屋根や広場を囲んでいたアーチは崩れたままだった

写真:建設途中のアドベ住宅。2階床の横木(根太)はあるが柱はなく、ただアドベを積み重ねているだけ拡大建設途中のアドベ住宅。2階床の横木(根太)はあるが柱はなく、ただアドベを積み重ねているだけ

写真:子どもたちの笑顔を守るためにも、きちんとした耐震策が取られればいいのだが……拡大子どもたちの笑顔を守るためにも、きちんとした耐震策が取られればいいのだが……

 ペルーは日本と同じく地震大国だ。太平洋側のナスカプレートが南アメリカプレートに沈み込む南米大陸西岸では、ペルーの歴史を変えるほどの大震災が過去幾度となく起きている。1970年5月31日に北部アンカッシュ地方を襲った地震では、ペルー最高峰のワスカランが崩れ、大量の土砂と氷塊がふもとの街ユンガイを一気にのみ込んだ。死者約6万7000人というペルー史上未曽有の大災害となったこの地震も、前述のプレート境界が震源である。

 こうしたことから、ペルーでは早くから各国の支援団体と国内外の大学や研究機関が協力して災害対策に取り組んできた。特に力を入れているのがアドベ住宅の耐震技術開発だ。ペルーの伝統的な建築素材であるアドベは、わらを混ぜた泥を天日に干して作る土のブロック。身近な材料でできる上に素人でも扱いが容易なため、庶民の間に普及している。しかしただアドベを積み上げただけの住宅は、耐震上極めて脆弱なのだ。

 アドベ住宅の耐震・免震建築として、カーニャ(竹の一種)や金網などどこでも手に入る安価な素材を使った技術が開発されている。ペルー住宅・建設省管轄の能力開発機構(SENCICO)作成のパンフレットには、アドベの間に補強材となるカーニャを縦横に挟み込むやり方や、金網やプラスチックメッシュでアドベの壁全体を覆う方法、基礎や梁の設置などについて分かりやすく説明されている。またセミナーやワークショップを開催し耐震建築の普及や技術者の育成も行われている。

 しかし、こうした取り組みが広く一般に浸透しているかといえばそうでもない。「明日のことより今日を楽しく」というラテン的国民性が災いしてか、いつ起こるか分からない地震のために、今住んでいる家の耐震補強をする人などほとんどいないのが実情だ。ましてや竹を買うどころか、その日の暮らしにも事欠くような貧しい人々もいる。そうした貧困層には、建物の耐震化など夢物語に過ぎない。

 2007年8月15日にペルー南部のイカ・ピスコ地方を襲ったマグニチュード8クラスの地震でも、アドベの家は甚大な被害を被った。地震国家ペルーに住まう者として、ただ一日も早い耐震建築の普及を願うのみである。

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