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無残にも倒壊した家屋を見るたび、迷われた方も多いだろう。割高といわれる地震保険。お宅では入ってますか?
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神奈川県鎌倉市に住む会社員の男性(42)宅では、今月に入って地震保険に入った。新潟中越地震を見て、迷わず決断した。
高台に木造二階建ての3LDKの新居を構えて4年目。2歳になる男の子が1人いる。もともと防災意識は高いほうだ。
いつ地震が起きてもいいようにと、「まず逃げるリュック」には、3人分の着替えやおむつ、軍手に懐中電灯、当面の食料などをぎゅうぎゅうに詰め、鉄筋の車庫には2リットル入りペットボトルの飲み水2ケースに、スコップなどを置く。だが、家の保険は火災保険にしか入っていなかった。
「地震保険は高いイメージがあって何となく入らずに来ちゃったんですが、家がつぶれてローンだけ残ったら嫌だと思ったんです」
火災保険では、地震による損害はほとんど補償されない。
地震発生の予測が難しいうえ、甚大な被害が見込まれるため、民間の損保会社にとって支払いリスクが大きすぎるからだ。
これを補う地震保険は、政府と民間の損保各社が共同で運営している。保険料率は業界共通。支払い保険金が一定額を超えると、一部を政府が負担する仕組みだ。
東京・神奈川が高い
地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで申し込むしかない。契約金額は契約者が選べるが、火災保険の3割から5割までで、しかも建物は5000万円、家財は1000万円の上限がある。
建物が木造か非木造か、また住む地域がどこかによって、保険料は大きく変わる。都道府県ごとに危険度で四つにわかれ、東京、神奈川、静岡がもっとも保険料が高い「4等地」だ。ほかに、1981年6月以降に新築されたか、耐震等級を受けた建物は最大で3割、保険料を割り引く制度がある。
地震保険の世帯加入率は、3月末で17.2%(全国平均)。新潟県は11.2%だった。補償額が十分とは言えないわりに、保険料が高いことがネックになっている。
例えば東京都内の木造、戸建てで、ある保険会社の2000万円の火災保険に入ると保険料は、年3万3600円だが、これに1000万円の地震保険をつけると、割引分を引いても、さらに年3万2000円かかり、計6万5600円もかかる。
それでも、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんは、地震保険への加入を勧めるという。
「避難所を早く出て当座の生活の基盤をつくるためと割り切れば、大きな額と言えるでしょう。貯蓄に余裕がない人ほど、目先の保険料にとらわれないほうがいい」
住宅ローン多い人も注目
特に冒頭のような、ローン返済を多く残した家庭では役に立つ、と竹下さんは話す。
「火災の場合はローン時に火災保険に強制的に加入するから、保険でローンをチャラにできます。阪神大震災でも多く見られたように、家がつぶれてもローン返済は残るのでは、金銭的にも精神的にもダメージが大きいはずです」
地震保険以外なら、共済の商品という選択肢もありうる。
全労済の「自然災害保障付火災共済」は、地震による損害で受け取れる額は最高でも1020万円だが、東京都内、戸建てのケース(延べ面積30坪で計算)だと、掛け金は火災共済と合わせても年3万8400円と割安だ。この場合、地震による焼損では最高で408万円の共済金が得られる。
JA共済の建物更生共済「むてき」は、主契約に地震への補償があらかじめ入っている。新潟で地震保険の加入率が低かった一因は、JAのシェアが高いからだ。
満期金が戻る積み立て型なので掛け金は割高だが、共済の商品は掛け金が全国一律なので、
「東京や神奈川など地震保険で等地が高いところほど、割安感が出てくる」(竹下さん)という。
(AERA編集部・佐藤秀男)
(AERA:2004年11月22日号)
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