第29期名人戦挑戦者決定リーグ戦第12局 観戦記
【第1譜】(1〜25手)
王立誠 十段
王銘エン 九段
3週連続
「ここ、初めてなんだよな」と王銘エンはつぶやきながら、いす席の特別対局室に入ってきた。和室なら対局者それぞれのためにポットが置いてあるが、ここでは給湯器でのセルフサービスになっている。お茶をすすりながら「国際戦ではみんなこうだからね」と話しかけてきた。王立誠は時間ぎりぎりまで部屋の外で待機してから、着席した。
最近、銘エンには凝っている手がある。白6の二間高バサミに両ガカリされたときの、白8のボウシだ。なんと3週連続で試みている。初登場は三村智保九段戦。黒9、11のツケ切りのあと、参考図1の白1と下辺ハサミのあるほうからアテている。その4日後、小県真樹九段相手には、参考図2の1と反対からアテている。白3のアテに小県九段は黒4と切って応じた(7ツグ)。
そして本局の立誠は、白14のアテに黒15とノビる。予想していたのか立誠の手が早い。ばたばたと白22まで、たった2分で新しい形が完成した。「互角でしょうが、からい白を持ってみたい雰囲気はあります」と解説の淡路修三九段。まだまだ進化しそうな形である。
(内藤由起子)
(04/03/30)
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