2010年9月1日
井山裕太名人(21)に高尾紳路九段(33)が挑戦する第35期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第1局が1日午前9時、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで始まり、午後5時30分、高尾挑戦者が83手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち、黒番の高尾挑戦者が3時間19分、白番の井山名人が4時間11分を消費した。2日午前9時に再開する。
昨年、史上最年少名人となった井山名人の初防衛か、第31期名人の高尾挑戦者が返り咲くか、注目のシリーズの開幕戦。午前9時、立会人の石田秀芳(しゅうほう)二十四世本因坊が開始を告げ、「握り」で先番に決まった挑戦者が第一着を右上星に打ち下ろした。
先に仕掛けたのは名人だった。右辺で模様を張る挑戦者に対し、下辺で白14とツケて戦いに。名人は白20から26まで手厚い形を選び、午後の戦いでは白48と右辺黒の中央進出を柔らかく封鎖した。
一方の挑戦者は黒35から41まで地を稼ぎながら、右下の白石を攻めようという厳しい態度を見せた。白66と右上に入られてからの折衝で断点を抱えたが、強気に上辺黒77のツメに回った。名人が白78と動いて上辺での攻防が始まったところで封じ手となった。
解説の山田規三生(きみお)九段は「挑戦者は相手に圧力を与える厳しい打ち方、名人は全体を見渡した堂々とした打ち方です。今後は上辺から中央の攻防が焦点になりそうです」と話した。(深松真司)
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