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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第3局  観戦記 >
黒 趙 治勲  二十五世本因坊   対   白 小県真樹  九段

 

傑作譜

2009年2月12日

 趙治勲は2期連続30回目の名人戦リーグ。通算9期、名人位に就いている。小県真樹は4期ぶり2回目の参加。前期は最終予選決勝で涙をのんだ。

 どちらが勝つか。実績から判断すれば趙が断然の支持を受けて当然。趙が勝って驚くファンはいないだろう。

 しかし、実績重視の考え方がいつでも正しいわけではないのは誰もが知っている。日本棋院、関西棋院あわせて400人以上いる棋士のなかで名人戦リーグに参加できるのは、名人を含めてわずか10人。ここに名を連ねているだけで、一流棋士の証しなのだ。

 今日からご覧いただくのは、小県の傑作といっていい棋譜。趙を相手にここまでの碁を打てるのも、一流だからこそだ。

 2人とも小刻みに時間を使う序盤戦。白は12のブツカリに早くも31分を記録する。

 「黒11までは最近多い布石です。黒13は続いて白A、黒15、白B、黒Cが注文。左辺にも下辺にも先着して、足早な趙さん好みの進行です。小県さんは白14で注文を外しました」と解説の二十四世本因坊石田秀芳。

 小県の快進撃が始まるのはもうすぐだ。しかし盤上にその兆しはない。白14は実戦例もあるし、黒15なら白16と迫るのは当然。これでDのカケは黒Eからハワれて甘すぎる。

 次の黒の一手を敗因としたら、驚くだろうか。

(松浦孝仁)

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