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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第4局  観戦記 >
黒 山田規三生  九段   対   白 張 豊猷  七段

 

新旧ブンブン丸

2009年2月19日

 20年近く前、入段して間もない山田規三生を、記者はブンブン丸と名づけた。当時人気の野球選手のごとく常にフルスイングするさまは痛快だった。しかしタイトルを取り、トップを争うようになったいまもブンブン丸と呼ぶのは失礼だろう。

 ブンブン丸にふさわしい武闘派はほかにいる。名人戦リーグ初登場の張豊猷だ。一局にかける熱さと一手一手の力強さは最右翼。つまり新旧ブンブン丸対決である。

 日本棋院関西総本部「無量」の間。対局開始2分前に入室して、下座を占めている山田を見た張、「えっ、向こうが上座では?」と首をかしげる。「白番が上座なんや」と山田にいわれ、しぶしぶ上座についたものの、居心地が悪そうだった。

 居心地の悪さが影響したわけではあるまいが、黒13と二間にヒラかれた瞬間、「まったく分からなくなった」と張の感想である。そこで張の師匠の王立誠九段の意見を。

 「白14からツメて黒15、17の好形を許してはちょっとつらい気がする。私なら白14でAにコスみ、黒B、白Cと展開したでしょう。また白16ではDとツケて変化することを考えます。白18でEとコスミツけ、黒F、白Gと辛抱するのは張くんの好みではないのでしょうね」

 白18が事件を起こした一着。ここから意外な方向へと突っ走ってしまう。

(春秋子)

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