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< 第34期名人戦挑戦者決定リーグ戦第5局  観戦記 >
黒 高尾紳路  十段   対   白 坂井秀至  七段

 

らしくない

2009年2月23日

 最近は、ヨセに時間を投入するためか、序盤は比較的速いペースで打ち進める傾向があるようだ。

 坂井も「前期リーグは、夜8時を過ぎてから勝敗が揺れ動くケースが多かった」との経験から、終盤に時間を残すようにしているという。

 序盤からよくある進行だからとはいっても、両者とも着手の速さは際だっていた。

 白8の二間高バサミに黒が9と両ガカリして、数年前にはやった定石が現れた。「見かけなくなったのは、白14の割り込みが、若干損で白が打ちにくいと思われているからでしょう」と解説役の趙善津九段。

 いまは白14で18のオサエが打たれている。続いて黒14、白Aツギ、黒20押し、白Bカケのあと、黒はCのカケツギやDのトビなどがあり、まだ決定版がない。難しい戦いが予想されるという。

 白20までの白は厚いが、実利派の坂井らしくない選択に見える。

 なつかしい布石の中で、唯一新しい着想だったのが、高尾がノータイムでヒラいた黒21だ。昔はEと狭くヒラいたものだ。この一路の工夫が、大違いなのだ。

 まだ開始から30分ちょっとしかたっていないのに、もう勝負どころをむかえている。

 坂井は気がついているのかいないのか、次の手をたった5分で決断する。

(内藤由起子)

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